12日からテニスの4大大会今季開幕戦・全豪オープンが、メルボルンで開幕する。2度の優勝を誇る元世界女王の大坂なおみ(27)=フリー=も、前哨戦のASBクラシック(ニュージーランド)で約2年9か月ぶりの決勝に進出。得意なハードコートで、21年以来4年ぶりの栄冠に挑む。(構成・吉松 忠弘)
男子の錦織圭と同じように、全豪での再ブレイクを狙っているのが大坂だ。19、21年と2度の優勝を誇る相性抜群の大会で、3度目の優勝も夢ではない。全豪での勝率は、やはり2度の優勝を誇る全米を超え、自身の4大大会の中でも最高の8割。30試合で24勝6敗は、もちろん日本女子最多勝だ。
大坂も今年は好スタートを切った。大坂にとっての今季開幕戦で、全豪の前哨戦となるASBクラシックで、ツアーとしては22年マイアミ・オープン以来の決勝進出。ランクが下の相手とはいえ、徐々に、調子を取り戻しているのは確実。5日の決勝は腹部のけがで途中棄権したが、「それほど深刻とは思わない。全豪は非常に楽観的」としている。
22年9月のツアー出場を最後に産休に入り、23年7月に長女・シャイちゃんを出産。24年に復帰した。24年の1年間は、「なかなか感覚が戻らなくて、ふわふわしている感じ」と、思ったような成績を挙げられず。産後からの回復期間だった。
しかし、昨年9月から、世界的な名将で、S・ウィリアムズ(米国)を指導したことでも知られるパトリック・ムラトグル氏をコーチに招き、新体制で今年の準備をしてきた。その成果を、まずは大好きな全豪で証明してみせる。
◆大坂 なおみ(おおさか・なおみ)1997年10月16日、大阪市生まれ。27歳。3歳の時に大阪でテニスを始め、2001年に米国移住。18年全米オープン決勝でS・ウィリアムズ(米国)を破り、4大大会初優勝。その後も19年全豪、20年全米、21年全豪と4大大会を制覇した。自己最高の世界ランキング1位はアジア女子最高位。23年7月に長女・シャイちゃんを出産した。180センチ。