12日からテニスの4大大会今季開幕戦・全豪オープンが、メルボルンで開幕する。元世界ランキング4位、現74位の錦織圭(35)=ユニクロ=は、2021年以来、4年ぶりの出場となる。前哨戦の香港オープンで、約6年ぶりにツアー決勝に進出。けがへの不安がなくなり、十分にトップで戦えることを証明した。2度の優勝を誇る元世界女王の大坂なおみ(27)=フリー=も、前哨戦のASBクラシック(ニュージーランド)で約2年9か月ぶりの決勝に進出。得意なハードコートで、21年以来4年ぶりの栄冠に挑む。25年の男女テニス界は、男子がシナーやアルカラスら若手トップへの完全移行、女子は誰が勝ってもおかしくない群雄割拠の時代が続くと予想される。その年の幕開けを占う全豪は、強豪だけでなく、錦織や大坂らに代表される復活組からも目が離せない。担当の吉松忠弘記者が占う。
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男子は若手への移行がいっそう高まる年になるだろう。世界ランキング7位に、4大大会最多タイ24回の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ(37)=セルビア=がいるが、さすがに往年の力は見えない。23歳の世界王者シナー、4度の4大大会優勝を誇る21歳のアルカラスを軸に、同13位で21歳のルネ(デンマーク)、同15位で23歳のドレーパー(英国)らが力をつけてくる。
女子は、サバレンカ、シフィオンテク(ポーランド)、ガウフ(米国)の3人が中心となる。しかし、15年にS・ウィリアムズが4大大会のうち3大会を制したような絶対的な女王は生まれないかもしれない。誰にでもチャンスがある状態は、今年も変わらない。
加えて、けがや出産などで長期離脱していた選手の復活にも注目だ。日本男女の錦織、大坂が代表例だ。また、男子では全豪前哨戦のブリスベン国際で、22年にでん部の手術を受けたオペルカ(米国)がジョコビッチを破り決勝に進んでいる。実力がある選手たちだけに、全豪では危険な存在となりそうだ。