オリックスの宮城大弥投手(23)が10日、年男となる2025年の目標に、いずれも昨季逃した「開幕戦勝利」、「沖縄がい旋登板」、「最優秀防御率獲得」の“3か条”初達成を掲げた。この日は大阪・舞洲の球団施設で自主トレを公開し、約30人の報道陣を前に今年初のブルペン投球を披露。捕手を立たせた状態で15球を投げ込み、2年連続で任された開幕投手に向けて順調な仕上がりをアピールした。
気温3度の舞洲で、宮城は熱い思いを口にした。昨季は7勝9敗で、21年の1軍定着後では初めて2ケタ勝利に届かず。チームも5位に沈んだ。巻き返しに燃える今季は、23年オフにドジャースへ移籍した山本由伸投手(26)の背番号18を継承。6年目左腕は「しっかり勝ちにこだわり、1年やっていけたら」と3つの目標達成を“公約”に掲げた。
1つ目は、昨季逃した自身初の「開幕戦勝利」だ。初の大役を務めた昨年3月29日のソフトバンク戦(京セラD)では、6回1/3を投げて3失点で敗戦投手となった。「長いイニングを投げて、しっかりゲームをつくる。いいスタートを切れたらと思いますし、一生懸命に腕を振りたい」。チームは過去10年、開幕戦で2勝8敗と苦戦も、白星を挙げた22、23年はいずれもリーグ制覇を達成している。
2つ目は、自身初となる地元・沖縄での「がい旋登板」だ。昨季は5月8日の楽天戦(秋田)で左大胸筋を痛め、初めて故障離脱を経験。同14日から行われた那覇でのロッテ2連戦は帯同できず「(年末に)沖縄へ帰った時、同級生から『なんで来なかった?』と圧をかけられた」と苦笑した。今年も7月1、2日に同球場での西武戦が予定され「まずはけがをせずに。今年は行けるように」と故郷での白星を見据えた。
最後に誓ったのは、「最優秀防御率」のタイトル獲得だ。昨季は10月6日のチーム最終戦・楽天戦(楽天モバイル)で降雨コールドの不運に見舞われ、4年連続の規定投球回には1回1/3届かず。同時に同タイトルも逃し、涙を浮かべた。それだけに「やっぱり防御率は自分の中だけの(こだわりの)数字。狙いたい」と目をギラつかせた。
色紙に「ケガをしない」と6年目の決意をしたためた宮城。「チームで優勝したいですし、自分も改めて頑張りたい」。エースとして、2年ぶりのリーグV奪還へと導く。(南部 俊太)