映画監督の庵野秀明氏が10日、都内で行われた「宇宙戦艦ヤマト」放送50周年記念セレクション上映会後のスペシャルトークイベントを初代・森雪役の麻上洋子(一龍斎春水)、漫画家のむらかわみちお氏と行った。
「『宇宙戦艦ヤマト』との出会いがなければ、自分の今の人生はなかったと思う」と話すほどの大ファンという庵野氏。麻上を前に「憧れなんですよ。第一次声優ブームで、麻上洋子っていう名前があると見ていました」と話し、「雪は、私の初恋の人」と愛を伝えた。麻上が声の出演をしていた1976年放送のアニメ「ポールのミラクル大作戦」に話が及ぶと、麻上は「僕、パックンだよ」と生ゼリフを披露。庵野氏は目を輝かせていた。
麻上は収録当時を「自分の声がどのように録音されて、出ているかわからない。放送されるまで聞けない。ダビングのときにスタジオに毎回通った」と昨年11月に亡くなった音響を担当した柏原満氏のスタジオに通ったことを回顧。放送まで3か月を切ってから収録が開始し、過密スケジュールだったことを明かし「放送に間に合うんでしょう? 1週間ずらしたらどうなの」と話したこともあったという。この日は当時の写真や原画の資料をスクリーンに投影しながら、漫画家の松本零士氏、共演した納谷悟朗氏ら先輩との思い出も語った。進行役も務めた庵野氏は途中からは台本を置き、いちファンとして、いち映像制作者として話に聞き入っていた。
「宇宙戦艦ヤマト」は2024年に放送開始50周年を迎え、昨年12月から3期間に分けて3話ずつ放映する記念セレクションを開始。この日は第23話「ついに来た!マゼラン星雲波高し!」、第24話「死闘!神よ、ガミラスのために泣け!!」、第26話「地球よ、ヤマトは帰ってきた!!」が大スクリーンに映された。イベントは続き、今年3月に東京・渋谷の西武百貨店で「宇宙戦艦ヤマト全記録展」が行われることも発表された。