サザンオールスターズが11日、石川県産業展示館4号館で全国ツアー「LIVE TOUR 2025『THANK YOU SO MUCH!!』」(13か所26公演)の初日を迎えた。10年ぶりのオリジナルアルバム(3月19日発売)に収録される「恋のブギウギナイト」や「桜、ひらり」に加え、代表曲の「海」や「ミス・ブランニューデイ(MISS BRAND―NEW DAY)」などを披露した。
石川の地で、6年ぶり全国ツアーの幕が開けた。5300人のスタンディングオベーションで迎えられた桑田佳祐(68)は「“生まれ故郷”の金沢に帰ってまいりました」とジョークを交え、深々とあいさつ。石川公演は、1999年以来26年ぶり。「最強寒波と一緒に帰ってまいりました。THE ALFEEより年下のサザンオールスターズです」と“桑田節”で笑わせたが、ツアー初日の石川公演は悲願だった。
能登半島地震から1年。昨秋の豪雨などにより、いまだ厳しい状況が続く石川からツアーを回ることはメンバーたっての願い。この日は最強寒波が襲来し、会場周辺には雪も点在。一時は開催も危惧されたが、往年の名曲から新曲、さらに未発表曲も織り交ぜた約2時間半のパフォーマンスに、場内は寒波を吹き飛ばす熱気に。リクエストコーナーでは、石川さゆり(66)がNHK紅白歌合戦で歌唱した「能登半島」も披露。間奏中に「フレフレ北陸、ガンバレガンバレ能登半島」と叫び、言葉で、音楽で被災地にエールを送った。
この日を皮切りに、全国13か所を巡り、50万人を動員。終盤には、グループの国内最年長記録(平均年齢69歳)として5大ドームに立つ。終演後にはメンバーで「ありがとう北陸!!」の横断幕を掲出。石川の、北陸の声援と笑顔に背中を押され、サザンの旅路が始まった。(田中 雄己)