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J2復帰効果で富山はファンクラブ会員が2・6倍増、収益も2億円アップへ

スポーツ報知 2025年1月11日 20時56分

 今季からJ2に復帰したカターレ富山は11日、富山県民会館で新体制発表会を開催した。昨季のJ2プレーオフ決勝では劇的な試合内容で昇格を決め、ファンも急増中。新体制発表会は午後1時からのスタートだったが、午前8時半からファンが並ぶなど、例年以上の熱気で会場も満員御礼だ。現時点でのファンクラブ会員数は2621人と、昨年同時期に比べて258%も増加。シーズンパスの売れ行きも695枚と、同166%と好調だ。左伴繁雄社長は「みなさんから期待されていると感じている。何とか応えないといけないシーズンでしょうね」と気持ちを新たにした。

 新体制発表会では、近年の売り上げや強化費の推移などを左伴社長がグラフを使って丁寧に説明した。2024年の売り上げは、1・1億円増となる8億9500万円の見込みだが、今季はさらに伸びる方向だ。昨年のプレーオフでJ2昇格が決まると、すぐにユニフォームスポンサーに出向いて交渉を開始。J2で戦うために必要な資金をグラフで図示し「スポンサーに了解を取り、先に増額をもらった形で、強化費として4・8億円を出せた。1か月間で一番大変だった」と左伴社長。2025年の売り上げを11億円に想定し、昨季の強化費3・6億円を上回る資金でチーム編成を整えた。

 そのほかの各スポンサーも好意的で、11億円からさらなる増額も見込める。順調に増えて12億円前後となれば、J2クラブでも売り上げで中位近くの規模となる。「(それくらいの規模では)万年J2や残留争い組になるか、またはワンチャンスで6位以内に入るか、どっちに転がる可能性もある。若手、中堅、ベテランがうまくかみ合い、ハードワーク、球際での強さを維持していれば、昇格の可能性はなくはないです」と説明した。

 昨季はルヴァンカップでJ1王者の神戸、J2王者の清水を破り、リーグ戦ではJ3優勝の大宮に勝利するなど、全カテゴリーの優勝チームを撃破。資金力アップに加え、持ち味のハードワークを続ければ、結果も出てくるはずだ。「J2に長くいるつもりはないので。資金が11~15億円に入ってくると、J1を狙う議論も比較的早い時期に出て来ると思います。今季はFWに(松田)力と(武)颯を加え、全方位的な補強をやっている。最初の5試合で、今の負けないサッカーで手応えをつかめば、J1を見据える原資集めも始めないといけないと思っています」と左伴社長。スポンサー、ファンの強力な後押しを受け、さらなるステップアップを見据える。(中田 康博)

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