日本ハムの伊藤大海投手(27)が11日、今季の目標に沢村賞を掲げた。エスコンで自主トレを公開。昨季は最多勝と最高勝率のタイトルを獲得したが、沢村賞は候補に挙がりながら該当者なしという結果に終わっていた。獲得できれば、日本ハムでは07年ダルビッシュ有投手(38=現パドレス)以来の快挙。抜かりなく開幕への準備を進め、先発完投型投手にとって最高のタイトルを目指す。
白い息を吐きながら、伊藤はランニングとキャッチボールで汗を流した。外気ほどではないが、冷え込むエスコンでの自主トレ公開。2年連続で本拠地での公開となり「けがなくしっかり今シーズンを戦い抜けるように、そんな準備をしていこうと。慎重にはやっています。昨シーズンはたくさんいい思いもしましたし、ここから始まっていくんだという気持ちの面も含め、意外とこの寒い感じも気に入っています」と語った。
昨季は14勝5敗で最多勝、最高勝率のタイトルを獲得。しかし候補に挙がった沢村賞は、「該当者なし」だった。「まだまだ課題だらけだと思いますし、自分自身が自分に一番期待できる、そんなシーズンにしたい。去年表彰がなかったタイトルが欲しい」。獲得できれば、チームでは07年ダルビッシュ以来。大谷でも届かなかったタイトルを狙う。
新庄監督からはファンフェスの舞台で、本拠地開幕投手を告げられている。昨季優勝のソフトバンクとの一戦に「本当の開幕戦と同じぐらい大事。やっぱり去年、あれだけの差で勝ちきったチームに、どういう姿勢を見せるか。僕の投球だけにかかわらず、チームとして今年はちょっと違うなと思わせなきゃいけない一戦。そこの舵(かじ)は、しっかり取っていきたい」。スローガン「大航海は続く」を連想させる言葉で、まずは戦う姿勢を示した。
初詣は例年通り函館八幡宮を訪れ、おみくじは4度目で大吉をゲット。「風吹けば 風ふくままに 港よしと 百舟千舟 うちつどいつつ」の言葉も「大航海―」に重なった。目指すのは先発投手にとって最高の栄誉とリーグ制覇。長く険しい航海の先へ、先頭に立ち導いていく。(山口 泰史)