甲子園で春夏通算7度の優勝を誇り、2016年夏限りで休部となっているPL学園硬式野球部のOB会懇親会が12日、大阪市内で開催された。会長の桑田真澄・巨人2軍監督(56)は冒頭で「学校自体、存続が非常に厳しい状態」と、現状を報告した。
PL教団は、3代目教主(おしえおや)が死去して5年、後継者不在が続いている。「(教主からの)お守りの拝受がないと受験もできない。(生徒を)増やす方法がない」と桑田氏。中学と高校は各学年1クラスで、中学は3学年で約35人、高校は約40人。今後も減少が見込まれる。
野球部は、23年に野球未経験の1年生1人が入部したが、その後の進展はなし。OB総会も「前のめりになりすぎてもよくない」(桑田氏)と、昨年から懇親会に名称が変更された。
一方、昨年11月には元高校球児による「マスターズ甲子園2024」に出場した。この日も元阪神の片岡篤史氏、元横浜の野村弘樹氏、元ヤクルトの宮本慎也氏ら65人が出席するなど、OB活動は継続する。「我々ができることは一つ。PL学園野球部の絆を絶やさないこと。希望は捨てずに、根気強く待ち続けたい」と桑田氏。険しい現状を耐え忍ぶ。(瀬川 楓花)
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桑田氏は、日本高野連が検討する「DH制」導入について、「個人的には反対」と私見を述べた。同氏はPL学園で1年夏から甲子園に5季連続で出場。投手として戦後最多の20勝(3敗)を挙げ、打者としても清原に次ぐ2位タイの通算6本塁打を記録した。「学生野球のころから『投げるだけ』『打つだけ』と決めないで、オールラウンドでやってもらいたい」と希望。ドジャース・大谷を例に挙げ「二刀流ができる選手もいる。目指してやってもらいたい」と願った。
7イニング制については、朝、夕の2部制や開催期間の延長、東京六大学のようなプロ野球との併用を提案した上で、「視点を変えれば、9回でもできる。選択肢を増やして、決断してもらいたい」と求めた。
〇…桑田氏が、PL学園で“KKコンビ”として甲子園を沸かせた清原和博氏の長男・正吾さん(慶大4年)にエールを送った。自身の息子で、タレントのMattが、正吾と連絡を取り合う仲だといい「僕も何度か一緒に食事をしたことがあります」と明かした。清原は昨年のドラフト会議で指名漏れし、競技から引退することを表明している。「野球をやっていた仲間ですから、この後の人生も、さらに輝けるように頑張ってもらいたい」と激励した。