DeNAの牧秀悟内野手(26)が12日、鹿児島・鹿屋市内で自主トレを公開。今季の目標に「30本打てればいいな」と自身初となる30本塁打を掲げ、積極的に野球以外のトレーニングを導入していることを明かした。
十手のような器具を持ち替えたり、手首を柔らかく使って回したり…。牧がこのオフに新たなトレーニングを披露した。両手に持っていたのは、琉球古武術で使われるという1本約600グラムの「釵(さい)」という武器。指導して4年目となる浜川彰吾トレーナーによると、今回使用した物はセットで約1万2000円で「道具を使うことで手先、指先からの重心の移動にすごく鋭敏になるし、前腕に痛みが出ると、前腕を使いすぎるのかなど特徴が分かる」と狙いを説明。牧は「体幹を使うことで腕は痛くならない。そういう使い方ができてくればバッティングにも生きてくるのかな」とうなずく。他にもこれまで同様に骨格模型を用いて骨盤や骨の動きの意識付けや、キックボクシングなどで体に刺激を入れた。
打撃練習では新バットも取り出した。試合用は芯の部分が直径64ミリだが、練習用に直径48ミリの極細バットを作製。早速ティー打撃などで使用し「芯を外すと、くっそ痛い。うまく芯を見つけて打つ練習にもなるのかな」とニヤリ。シーズン中でもヘッドの走りを確認するため、ネクストバッターズサークルでの素振り用として使う予定だ。
日本一に輝いた昨季は133試合に出場し、打率2割9分4厘、23本塁打、74打点の成績を残した。阪神・井上ら5人と行う自主トレは、昨季限りで退団した大和に代わって今季から自身が主催し、鍛錬を積んでいる。「球場選びも大変な中、引き継がしてもらってますし、来たメンバーが今まで以上に活躍できれば」。キャンプに向けて、ひたすら鍛えまくる。(太田 和樹)
◆琉球古武術 「琉球古武術保存振興会」ホームページによると、700年ほど前からの歴史があり、棒、釵、トンファー、ヌンチャクなど8種の武器を使用し、沖縄で独自の発展を遂げた武器術の総称。武器ごとにそれぞれの特色技を含む。