◆第103回全国高校サッカー選手権 ▽決勝 前橋育英(群馬)―流通経大柏(千葉)(13日・国立競技場)
7大会ぶり2度目の優勝を目指す前橋育英(群馬)と17大会ぶり2度目の優勝を狙う流通経大柏(千葉)は12日、都内と千葉県内でそれぞれ最終調整を行った。今季のプレミアリーグEASTでは1勝1敗(両試合とも2―0)と全くの互角。2017年度決勝と同カードの一戦で決着をつける。高校選抜で共闘した前橋育英のFWオノノジュ慶吏(けりー、3年)と流通経大柏のMF柚木創(3年)が、それぞれ決戦へ意気込んだ。
前橋育英は運命の一戦に備えた。都内で1時間ほど軽めの練習で最終調整。今大会得点ランク2位(4点)のオノノジュは7大会ぶりの栄冠へ「前橋育英が日本一と証明したい。自分ができることはゴールにかかわるところ。そこを意識したい」と言葉に力を込めた。
プレミアリーグでも得点王(10点)を獲得しており、史上初の選手権とのW得点王も射程に入る。本人は「別にプロでもなんでもないし、まだ全然」と謙遜する。とはいえ「決勝の舞台に立てているのは(高校入学前に)思い描いた通り」と自信ものぞかせた。
決勝のチケット完売が日本協会から発表され、5万人超えの観衆が聖地に集う。今季1勝1敗と、互角の戦いを繰り広げている強敵との決戦に「最後の試合なんで、悔いのないように。今までやってきたことを全部ぶつけたい」とオノノジュ。謙虚さの奥に情熱を燃やすストライカーが、チームを頂点に導く。(浅岡 諒祐)
◆流通経大柏10番・柚木創「勝って決着つけたい」
男の約束を果たし、いよいよ勝負を決する時が来た。準決勝で勝利に導くPKを決めた流通経大柏の背番号10を背負うMF柚木創(3年)は、高校選抜で仲を深めた前橋育英のエースFW・オノノジュ慶吏(けりー)と開会式で「決勝で会おう」と誓い合った。ついにこの時を迎え「絶対負けられない。(プレミアでは)1勝1敗。決勝で勝って決着をつけたい」と大一番を心待ちにした。
得点ランクでは現在、オノノジュ慶吏が柚木を2得点上回り、2位タイにつけているが、「ケリーが点取ると刺激になるし、悔しい思いもある。まだ追い越せる」。最後の一戦でライバル越えのゴール量産を狙う。
決勝は7大会前と同じカード。当時は0―1で敗れた。そして6大会前も決勝で涙した。13日は当時の悔しさを知る先輩たちも応援に来る予定。「絶対に敵を討ちたい」と頂点だけを見据えた。(小林 玲花)