オリックス・杉本裕太郎外野手(33)が13日、初の全試合出場へ「鉄人化」を宣言した。3年連続で自主トレを行う楽天・浅村は、歴代4位の1306試合連続出場を継続中。「まずは試合に出ることが一番。浅村さんより打てるように」と誓いを立てた。
「仕上がっている。いい感じ」。温暖な沖縄で杉本がグングンと上昇中だ。一昨年の11月に左足首を手術した影響もあり、昨季は82試合で11本塁打どまり。しかしオフからピラティスを本格的に導入し、効果を実感中だ。柔軟性を向上させることで、けが予防の効果にも期待。沖縄でも継続して取り組み、自身の変化が楽しみな様子だった。
32本塁打でタイトルを獲得した21年に初めて、右翼のレギュラーを獲得した。自己最多の134試合に出場。ところが、22年以降はすべて規定打席に届かず、試行錯誤を続けてきた。この日、公開した自主トレでは「師匠なので」と浅村と濃密な時間を共有。好調のバロメーターでもある中堅から右方向へ打球を飛ばす技術、試合に出続けられる秘けつを吸収し、貪欲に先輩のお株を奪うつもりだ。
リーグ3連覇を成し遂げた一昨年までの3年間、意外にも野手の全試合出場はゼロ。新型コロナによる120試合の短縮シーズンだった20年を除けば、19年の吉田正(現Rソックス)が最後だ。昨年まで務めた選手会長も若月に引き継ぎ「外野手の班長ぐらいで…」と選手一本で巻き返し。全試合出場、4番返り咲きで「浅村超え」を果たし、キャリアハイ更新も見据える。「浅村さんは尊敬する打者。僕がそれ以上に打てば、チームも勝てると思う」。あと17本としている通算100本塁打は、当然の通過点。オリの“鉄人・ラオウ”が、V奪回へ導く。(南部 俊太)