元宝塚雪組トップスターで女優の望海風斗が14日、大阪市内で主演舞台「マスタークラス」の取材会に出席した。
オペラに生涯をささげた20世紀最高峰のソプラノ歌手マリア・カラスが、米国ニューヨークの名門音楽学校・ジュリアード音楽院で行った「公開授業」(マスタークラス)の議事録を元に、栄光と挫折の人生を描いた物語。日本では1996年、99年に黒柳徹子主演でパルコ劇場で上演されて以来、26年ぶりの再演となる。マリア・カラスを演じる望海は「演じるというより、マリア・カラスの言葉がすごく自分自身にも響く言葉がたくさんあったので、すごく面白いなと思いました」と、ほほ笑んだ。
マリア・カラスの現役を知っていたり、黒柳が演じた舞台を見たりしたことがない世代も多い。望海は「なじみのある中で上演するのと、本当に知らない中で上演するのって全然違うと思うので、今やるっていうのは挑戦だなと思います」と気持ちを引き締めた。ストレートプレイも初めての挑戦。本番で歌う場面はないが、クラシックの発声に興味津々で「隙あらば教えてもらおうかなと思っています。ここで今あなたはクラシックを勉強しなさいって言ってもらっているのかなと思って」と貪欲だ。
自身も宝塚歌劇団のトップとして、後輩に教えてきた経験もある。現役のタカラジェンヌに向けて「基礎を学んでほしいです。それこそ解剖学じゃないですけど、体の仕組みを知った上で歌っていくと、もっともっと歌の幅が広がるのでは」とアドバイス。さらに在籍していた雪組も朝美絢がトップスターに就任し、ここから新しいスタートを迎える。「私はお披露目ってスタート地点なので、どうスタートしていくかってすごい考えて、(相手役の)真彩希帆とプレッシャーをかけていました。でも本当に楽しんでもらいたいなと。今舞台に立てることを思いっきり楽しんでもらったら」とエールを送る。
マリア・カラスの講義ということもあり「公開授業の見学にきている感覚で気軽にのぞきにきてほしいです」とアピール。公演は3月から東京、長野、愛知を経て、大阪公演は4月12日~20日までサンケイホールブリーゼで上演される。