巨人の新人合同自主トレが14日、スタートした。東京・稲城市内で3月の開業に向け準備中のファーム新球場ジャイアンツタウンスタジアムを一般非公開で試験的に使用。初日を視察した阿部慎之助監督(45)はドラフト1位の石塚裕惺内野手(18)=花咲徳栄=に好印象を抱き「ありのまま」のススメを説いた。練習前には新人に訓示。「今の気持ちをどれだけ長く持てるか」など大切にしてほしい3か条の心構えを伝えて飛躍を願った。
冬晴れの青空の下で熱視線を送った。阿部監督は明るい未来をイメージしながら新人合同自主トレ初日を視察。内野ノックなどでドラフト1位の18歳・石塚の軽快なフットワーク、強肩を確認した。「動けているなというのもあるし、体もすごくガッチリしていて。ちゃんと練習してきたんだと感じた」。11月30日の入団発表以来の対面。走攻守そろった大型遊撃手の素質の高さを目に焼きつけた。
昨夏の埼玉大会の映像を自らチェックして1位指名を決めた逸材。高校日本代表で4番を務め、坂本勇人2世と称される金の卵だ。「とにかく自分がうまくなることだけ考えてやってほしい。いろんな雑音もあるだろうけど、そんなの気にせず、高3の時にやっていたようにやってくれれば。いいものは持っていると思って獲っているから」。必要以上に背伸びせず「ありのまま」で良いと説いた。
阿部監督は中大から2000年ドラフト1位で巨人に入団。新人を見て「若いっていいなあ」と当時を思い返しながら、ドラ1の先輩として自ら切り出した。「ドラフト1位っていろんな注目されるし、マスコミの皆さんが一緒に育てると思ってやってもらいたい。今いろいろSNSだなんだ、文字の暴力って結構ひどかったり問題になっていると思うので」。いつか巨人のスターになってほしい。だからこそメディアに協力依頼して親心をのぞかせた。
練習前には石塚ら新人の前で約1分間の訓示。「今の気持ちをどれだけ長く持てるか」「プロの世界は厳しいけどチャレンジしてほしい」「東京ドームでプレーするのを目標にしてほしい」と大切な3か条を伝えた。初訪問のファーム新球場については「素晴らしすぎる。ここが居心地良くなっちゃうんじゃないかというくらいいい球場」と絶賛。「ここで活躍するんじゃなくて」と1軍の戦力になることを期待した。
高卒の石塚はキャンプ2軍スタートの予定。じっくり育てる方針だが、1年目の1軍出場は「ゼロじゃないよね。彼が頑張れば」と含みを持たせた。プロ野球生活で一度しかない新人合同自主トレ初日。大きく羽ばたくことを願って門出を見届けた。(片岡 優帆)
阿部監督訓示「皆さん、明けましておめでとうございます。ファンフェスタの時にも言ったけれど、これからみんな、今の気持ちをどれだけ長く持てるか。プロの世界ってすごい厳しいところだけれど、チャレンジしてほしい。こういう素晴らしい環境もある。ここでレギュラー張るのが目標ではないけれど、東京ドームでプレーするのを目標にして、頑張ってください」
◆G新人合同自主トレ初日
▽12:30グラウンド入り
▽12:55阿部監督らから訓示
▽13:00ウォーミングアップ
▽13:25キャッチボール
▽13:35ペッパー(トス打撃)
▽13:45ノック
▽14:20室内移動
▽14:25ティー打撃
▽14:45投手はシャドーピッチング、野手はライブバッティング
▽15:15グラウンドでランニング
▽15:40練習後、取材対応