巨人の岡本和真内野手(28)が今季、偉大なレジェンドたちに並ぶ活躍を目指す。14日にG球場で自主トレを公開。今シーズン、全試合4番で出場すれば昨年に続き3度目で、球団では松井秀喜とともに最多になる。「もちろん1年間いいコンディションで出られるように。その日のいいコンディションで試合に出続けられるように努めたい」とシーズン完走を誓った。
アーチストとしての記録も射程に捉える。昨季は27本塁打でシーズンの連続30本塁打以上は6年でストップ。それでも今季30発以上放つと7度目で、球団では王貞治、松井に次いで3人目の偉業になる。「今言われて自分が30本打てなかったことを思い出した」と、あまり意識していないことを話しつつ、「30は一つのあれ(ライン)ではある。30も少ないと思いますし、一つのラインとして持ってるだけ。それ以上いっぱい打てることに越したことはないので、1試合1試合頑張る」。あくまで通過点とし、放物線を描き続ける。
オフの優先事項は万全の肉体をつくること。昨季終盤に腰を痛め、シーズン終了後は約2か月バットを握らずに回復に専念した。12月中旬から打撃練習を再開し、強度を上げている。ティー打撃などで約20分バットを振り、「けがを治すところから入って、体も順調にきている」と回復をアピール。胸郭のトレーニングを取り入れるなど向上心は尽きない。春季キャンプは個別調整が許されるS班でスタートし、開幕に照準を合わせる。
体づくりに励みながら、料理に挑戦している。事前にYouTubeなどで調理法を勉強。購入したエプロンをつけ、カレーやマリネなどを作っているという。「(作り終わると)ナイターの試合が終わった後くらい疲れる。ご飯を作るのって大変やなと実感した」。昨秋から健康を意識して「腸活」に取り組んでおり、好きではないキノコを自ら作った料理に添えることもあるなど、食への関心を高めている。
一塁、三塁、左翼の複数ポジションを守れる主砲。「与えられたところでしっかりやりたい。どこがいいというのはない。行けと言われたところでやる」と献身性を示した。勝利してこそ残した記録も一層映える。大黒柱がリーグ連覇、日本一へ尽力する。(宮内 孝太)
◆全試合4番 巨人で3度は松井秀喜のみ
昨年の岡本(巨)は全試合に4番打者で先発出場。全試合4番は21年以来、自身2度目だった。シーズン全試合4番は金本知憲の8度(広2、神6)が最多。巨人では
3松井秀喜=00~02年
2中島治康=37春、38春
2ラミレス=09、10年
2岡本和真=21、24年
1川上哲治=49年
今年3度目となれば、松井に並んでチーム2人目だ。
また、昨年は27本塁打。18年から続けていたシーズン30本以上が6年連続でストップしたものの、今年30本以上なら7度目。原辰徳の6度を上回る。巨人では19度でプロ野球最多の王貞治に次ぎ、こちらも松井と並び3人目になる。