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琴桜の「焦らずに」は焦っている証拠 開き直って自分の相撲を…元大関・琴風の目

スポーツ報知 2025年1月15日 5時20分

◆大相撲初場所3日目(14日、東京・両国国技館)

 綱取りの大関・琴桜は、東前頭2枚目・翔猿に引き落とされて、早くも2敗目を喫した。横綱昇進への内規は「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降に昇進した33人の横綱のうち、3日目までに2敗を喫した例はなく、今場所での昇進は崖っぷちに追い込まれた。

 琴桜の綱取りは厳しくなった、と言わざるを得ない。3日連続して動きがぎこちない。翔猿を相手に見る立ち合いはいつものことだが、押されていたのも事実だ。土俵際まで押されて前に出ていったが、抱え込んではいない。まわしも取っていない。差してもいなかった。体をぶつけるように出ていったら前に倒れてしまう。

 放送局のNHKのインタビューで、何度も「焦らずに」という言葉を口にしていた。これは焦っている証拠である。焦りがあるから無防備に出ていってしまったのだ。残念だ。本当の剣が峰だ。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)によると、昨夜も部屋に戻ってシコを踏んでいたという。真面目な性格だから大関まで上がることができたのだが、真面目な性格だからこそ、綱のプレッシャーとぶつかり合っているのかもしれない。サイコロの目がどう転ぼうと、開き直って自分の相撲を取るしかない。(スポーツ報知評論家)

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