高校通算45発の強打者で、投手としても最速153キロを誇る桐朋(東京)の森井翔太郎遊撃手(3年)がアスレチックス入団を決断したことが14日、スポーツ報知の取材で分かった。
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小中高と難関私学の桐朋で学んだだけあって、森井は聡明な若者だ。常識的にはNPB経由のメジャー挑戦が一般的な中、なぜ道なき道を選んだのか。昨秋、こう答えた。
「従来の価値観にとらわれたくないんです。先入観は全部取っ払って、自分が一番やりたいこと…人生において、何をやったら一番幸せなのかを何度も考えたんです。自分が一番行きたいのはメジャー。それはずっと変わっていません」。幼少期からMLB中継に夢中になり「プレーの華やかさ、体の大きさ、身体能力に憧れました」。ぶれることなく、初心を貫いたゆえの決断だった。
練習熱心さは誰もが認める。オンラインで英会話を学び、CNNを見て語彙(ごい)を増やしてきた。日常会話には困らない程度に英語も習得しつつある。昨年9月に初めて渡米した時には「アメリカでも空は普通に青い。同じ人間同士、人種は違っても一緒だな」と感じたという。大いなるチャレンジを応援したい。(編集委員・加藤 弘士)