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長塚京三 流ちょうな仏語を披露 外国特派員協会会見で主演映画「敵」PR

スポーツ報知 2025年1月14日 22時9分

 俳優の長塚京三が14日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で主演映画「敵」(吉田大八監督、17日公開)の記者会見を行った。

 昨年11月の第37回東京国際映画祭で最優秀男優賞を獲得。作品としてはコンペティション部門で最高賞、吉田氏が最優秀監督賞を受賞し、3冠となった。

 あいさつを求められると「なんか外国語で一言というのはここ(特派員協会での会見)の恒例になっているそうで…」と事前に書き上げた原稿を取り出し、約1分間、フランス語でスピーチ。仏パリ大学ソルボンヌに在学中に同国映画「パリの中国人」で俳優デビューをしており、この日も流暢(りゅうちょう)なフランス語で自己紹介と来場への感謝を伝え、場内からは拍手が起こった。

 筒井康隆氏の同名小説が原作。大学教授を辞めて10年になり、静かな日々を送っていた77歳の男・渡辺儀助(長塚)に”敵”が表れ、異変が起きる。今年7月で80歳になる長塚は、自身の役柄を「年格好も社会的な背景も同じくらいで、別に役作りに苦しむことはなかろうと。オープンなマインドで最初は(吉田)監督と私の家で本読みをやった」と振り返った。

 浴室でのシーンについて「浴室で自分の体を見て、鏡で目と目が合うのは長い俳優人生で初めて」と言及。撮影前は「ためらいはなかった」というが、実際に経験すると「結果としては大変な経験をさせてもらって」と吉田監督を前に本音もポツり。それでも「ある種の感動を覚えた。自分というやつが愛おしく思えた。『ああ、お前も生きていかなきゃな。つらいことはあるさ』って。そういう考えだった」と照れ笑いを浮かべた。

 一時は俳優引退を考えたという長塚だが、12年ぶりの主演映画を機に「私にできる役がある限りは、もう一本ずつ、もう一本ずつやっていけたらいいな」と心境に変化も。会場に駆けつけていた妻に向けて「ごめんなさいね」と頭を下げていた。

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