巨人のドラフト2位・浦田俊輔内野手(22)=九産大=が15日、“黄色い稲妻”の襲名を誓った。50メートル5秒8の快足を武器に春季キャンプ1軍入りが決まったルーキーは、ジャイアンツタウンスタジアムで行われた新人合同自主トレに「ラッキーカラー」という黄色の道具を多く身につけて参加し、「自分のイメージカラーにしたい」と宣言。「赤手袋」こと通算579盗塁の柴田勲や、「青い稲妻」と称された松本匡史級のスピードスターへの成長を目指す。
緑の人工芝によく映える黄色の道具を身にまとい、浦田がグラウンドを疾走した。練習用ウェアや打撃用の手袋、靴下、ネックレスなど、随所に黄色を取り入れたファッションで新人合同自主トレ2日目に参加。「シンプルに好きっていうのと、ラッキーカラーが黄色なので身につけています。ちっちゃい頃からずっと好きだったんで、なぜか集めている感じ。黄色だけ輝いて見えます(笑)」と“黄色愛”を爆発させた。
“黄色と言えば浦田”と認知されるようなブレイクを目指す。巨人では過去に、日本初の本格的なスイッチヒッターとしてV9に貢献した“赤い手袋”こと柴田勲や、シーズン76盗塁のセ・リーグ記録を持ち「青い稲妻」と呼ばれた松本匡史が在籍。浦田は「青い稲妻」というワードに「聞いたことがあります!」と興味を示し、「『黄色い稲妻』と自分で言うのはおこがましいですけど(笑)。これから活躍して黄色を自分のイメージカラーにしたい」と“襲名”の誓いを立てた。
柴田、松本級のスピードスターになれる可能性を秘める逸材だ。50メートル5秒8の快足を武器に大学時代は盗塁王3度。通算打率3割9分2厘のシュアな打撃も併せ持つが、クレバーな一面も魅力だ。「自主トレの間は全力で振らないように、形を意識しながら。力強く、コンパクトに7、8割くらいでミートすることを心がけている」と、明確なテーマを設定。阿部監督が1軍スタートと明言した春季キャンプに向けて、着々と準備を進めている。
この日はジャイアンツタウンスタジアムでキャッチボールや、室内での打撃練習を行い「自分らしい動きというか、調整ができた」。好きなキャラクターは「くまのプーさん」で、こちらも黄色愛あふれるルーキーは、「キャンプに向けてはけがをしないことが一番だと思うし、しっかりと体作りやケアの面でも取り組みたい。走攻守、全部を売りにしたいので、全力でアピールしたい」。稲妻のごとくグラウンドを駆け抜け、黄色い歓声を浴びる。(小島 和之)
◆柴田勲と松本匡史 1962~81年にプレーした柴田は67年に70盗塁を記録するなどセ・リーグ記録の6度の盗塁王に輝き、通算579盗塁。主に3番・王、4番・長嶋につなぐリードオフマンとしてV9に大きく貢献した。77~87年にプレーした松本は柴田の「赤い手袋」にあやかって82、83年に連続盗塁王になった時期に青い手袋を使用。83年の76盗塁は現在もセ・リーグ記録。主に1番打者として河埜や篠塚、クロマティ、原、中畑らにつなぐ役割を担った。
◆浦田 俊輔(うらた・しゅんすけ)2002年8月30日、長崎市生まれ。22歳。小学1年で軟式野球を始め、長崎・海星では2年夏に甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入りし、通算37盗塁。24年ドラフト2位で巨人入団。171センチ、67キロ。右投左打。背番号32。