フジテレビの持株会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)の株式を7%以上保有しているという米投資ファンドのダルトン・インベストメンツとその関連会社が米東部時間14日(日本同15日)、中居の問題に絡み同HDに対し調査や信頼回復を求める書簡を送付したことを発表した。
中居のトラブルに同局の社員が関わったと一部で報道されたが、同局は「一切関与しておりません」との否定コメントを発表している。ただ「物言う株主」として知られるダルトンは書簡で「問題を曖昧にせず、適切かつ迅速に扱うことが求められている」と外部の専門家による第三者委員会の設置や再発防止策の提示を要求。「大株主の一人として、私たちは激怒しています」とした。
これに対し、同HDはスポーツ報知の取材に対し「個別の投資家との対応については公表しておりません」としつつ「グループ各社に常に法令の順守とコンプライアンス体制の確立を求めています。またグループ人権方針を定め、グループ各社と共にビジネスパートナーに対しても本方針にそった人権尊重を期待しております」と回答。「グループ各社には、改めて方針の徹底を求めてまいります」とした。
また、同局も騒動に関して「昨年より外部の弁護士を入れて事実確認の調査を開始しており、今後の調査結果を踏まえ、適切な対応をしてまいります」とのコメントを発表した。
放送法などでは、外資による支配を防ぐため、テレビ局などの放送局は、外国人株主が保有できる議決権付き株式を2割以下とすることが定められている。また、同HDの半期報告書によると、同局の大株主には他に東宝(8・71%)、文化放送(3・66%)などがある。同HDの株価は、一部週刊誌で中居のトラブルが報じられた昨年12月19日には1858円だったのが、15日の終値は1623円まで下落している。
◆ダルトン・インベストメンツ 1999年創業の米投資ファンド。2000年代から日本株に積極的に投資してきたアクティビスト(物言う株主)として知られる。現在は対話によって企業価値の向上を促す路線をとっており、日本企業では19年、新生銀行に共同創業者のジェイミー・ローゼンワルド氏を、報酬1円で社外取締役に選任するよう求め、大規模な自社買いを促進。昨年には豊田自動織機にデンソー株の売却を提案し、資本効率の改善を図った。