巨人の伊藤優輔投手(28)が、FA移籍した甲斐拓也捕手(32)の人的補償でソフトバンクに移籍することが16日、決まった。ソフトバンクから球団に通知の連絡が入り正式発表された。
都立小山台高では3年春の2014年選抜に21世紀枠で甲子園出場。中大、三菱パワーを経て20年ドラフト4位で巨人入りした。小山台高初のドラフト指名選手となった「都立の星」。小さい頃から大ファンだった巨人の一員となった。
最速156キロの即戦力右腕と期待され、1年目の21年は2軍で16試合に登板したが1軍登板なし。同年11月1日に右肘内側側副じん帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けた。22年から育成選手契約を結んでリハビリ。23年9月に2年ぶりの2軍イースタン・リーグ公式戦登板を果たした。
昨年7月に支配下登録に復帰して1軍デビュー。中継ぎとして1軍では8登板0勝0敗、防御率1・04。2軍では40登板で4勝0敗14セーブ、防御率1・29という好成績を残した。
11月の秋季練習では阿部監督から先発起用の方針を伝えられ、オフの自主トレでは先発挑戦を視野に入れてトレーニングしていた。
巨人は昨年15勝の菅野がオリオールズと契約してメジャー移籍。先発陣は戸郷、山崎、グリフィン、井上、田中将らがいる中で、伊藤をはじめ赤星、西舘、平内、横川、堀田、又木、田中瑛、森田、京本ら若手の競争で底上げを目指していた。
球団は13年ぶりの日本一に向け、バッテリー強化のために経験豊富な捕手の甲斐を獲得。4年ぶりのFA選手補強となった。12月27日に28人のプロテクトリストが巨人からソフトバンクに届き、リスト外の選手の中からソフトバンクが熟考した結果、伊藤が指名された。「都立の星」が新天地でさらなる飛躍を目指す。
◆伊藤 優輔(いとう・ゆうすけ)1997年1月14日、東京都出身。28歳。小山台3年春の選抜に21世紀枠で甲子園に出場。履正社に敗れて初戦敗退。中大を経て、三菱パワーで社会人日本選手権8強。2020年ドラフト4位で巨人入団。21年11月に右肘手術を受けて育成選手契約を結び23年5月に実戦復帰。昨年7月に支配下登録に復帰し1軍デビュー。178センチ、82キロ。右投右打。