2025年の野球殿堂入り通知式が16日、都内の野球殿堂博物館で行われ、ソフトバンク・王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(84)が、プレーヤー表彰で史上7人目となる初年度当選を果たしたイチロー氏(51)を祝福した。
自身も1994年に殿堂入りしているが、この日はイチロー氏にメッセージを送るために出席。監督として出場し、世界一に輝いた06年の第1回WBCで共闘した同氏に向け「待ちに待ったイチロー君の殿堂入りのこのすばらしい席に出席させていただきまして、大変光栄に思っております」と笑顔。「イチロー君の成績に関してはみなさん本当にあえて言うまでもなく、みなさんの心の中に住みついていると思います。あえて言うと、イチロー君は5年も待たなくて良かったんではないかと(笑)。規則は規則なんでしょうけど、待ちに待ったというね。私だけでなく、アメリカでイチロー君を見た多くの方々も喜んでくれていると思います」と語った。
続けて「私は1995年にダイエーホークスに行きまして、その時、イチロー君はばりばりのオリックスのスーパースターでした。とにかく私もバッターですから、ボールとバットの芯を結ぶ天才だと思いました。人間業ではないと思いました。野球というのは芯と芯が当たらない限りいい打球が出ないわけですから。それがどういう体勢に崩されても、それを結ぶのが他の打者と違うわけですよね。私は相手チームで何度も何度も痛い目にあいました」と回顧。「アメリカに行って、日本にいた時以上(の活躍をした)。特に行った年に首位打者を取って、1年目で最優秀選手、これはすばらしい。アメリカ、海外の人を認めない国が1年目の活躍にね。最優秀選手という賞を与えたというのは、アメリカも捨てたもんじゃないと思ったぐらい。日本に対してそういうイメージを持ったんじゃないかと。それを見事に覆されました」と話した。
「その後も262本という世界記録をつくって、彼の存在というのは、成績もすばらしいですけど、守備でそういう賞もあったら、彼はもらえるでしょうし、とにかく攻守走、すべてにそろって、日本の野球はすごいんだというのをアメリカの選手に与えてくれて、イチロー君がアメリカでそういう活躍をしてくれたことが、日米の野球のレベルが近づいて、まだまだ差はあると思いますけど、功績が大だと思います。とにかくイチロー君の功績はかすむことがない。輝き続ける。高校生に野球に対する情熱もすばらしい。将来の子供たちのためにも大いに頑張っていただいて、野球っていいんだという思いをみんなと共有して、歩んでいってほしいなと思います」と賛辞を並べた。