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殿堂入りイチロー氏「動けなくなるまで日本野球の力になりたい」51歳となった今も、球界の未来を思う

スポーツ報知 2025年1月17日 5時10分

 今年の野球殿堂入り通知式が16日、都内の野球殿堂博物館で行われ、プレーヤー表彰ではオリックス、マリナーズなどで日米通算4367安打のイチロー氏らが新たに殿堂入りした。

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 イチロー氏は51歳となった今も、球界の未来を思っている。通知式では、「これからも、いつか分からないですが動けなくなるまで野球と携わって、なんとか日本野球の力になりたいと考えています」と約束した。

 19年3月22日、日本での開幕シリーズを最後に現役を引退したイチロー氏は「監督は絶対無理。人望ない」と言い切り、マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターという新たな肩書を得た。引き続きユニホーム姿で打撃練習などにも参加する中、指導したフリオ・ロドリゲスが22年のア・リーグ新人王に輝き、指導者としても卓越した能力を示している。

 引退した年の12月には、プロ野球経験者らが高校生、大学生の指導に必要な学生野球資格を回復するための研修会に参加。「今は未来を担う子供たち、主に高校生なんですけども、彼らとの出会いを通じて、それが僕の大いなる目標となっていて、さらにモチベーションにもなっているという状況です」と明かした。オフは全国の高校を訪ね、日米通算28年間のプロ生活で得た知見を還元している。

 高校生を巡回指導する思いの源泉を問われると、「さまざまな場面で『必要なことすら伝えられない』と嘆く先生や指導者たちの声を聞きます。野球を通じて、社会に出てからのきっかけになってくれればという思い。ナメた子供は叱る」と回答した。続けて、今後取り組んでみたいこととして「ナメた大人も叱る」と“イチロー節”も飛び出した。

 女子野球でも真剣勝負の試合を開催することで、普及の先導役を担う。自ら結成した草野球チーム「KOBE CHIBEN」で、高校女子硬式野球選抜チームとのエキシビションマッチを21年から毎年開催。昨年は松井秀喜氏を米ニューヨークから招き、夢の共演を実現させた。「規制の多い日本では、一定世代以下はキャッチボールすら特殊なスキルになってしまった」と米国よりも野球が遠い存在になっていることを危惧するなど、日々未来を考え続けている。野球の伝道師イチローの旅はこれからも続く。

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