J1連覇を果たした神戸は17日、全選手、スタッフら約60名で「阪神・淡路大震災1・17のつどい」に参加した。東遊園地で行われ、地震が発生した5時46分に黙とう。吉田孝行監督は「本当にそういう夢を持ってね、本来なら夢に向かって頑張って欲しいけど、亡くなった方の分も一日一日を大事にして生きないといけないなと思いました。サポーター、応援してくれる方に、みんなに笑顔を与えられるように、日々努力するだけです」と話した。
Jリーグ昇格を目指して始動した1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生。当時、高校3年生だった吉田監督は兵庫・川西市の自宅で被災した。指揮官は「あの日の揺れは忘れられない。忘れないでおいて、しっかり何かあっても備える。しっかり備えられるようになればいいなと思う。あとは本当に亡くなった方の分も一生懸命生きなきゃと思います」と当時を振り返った。選手全員で集いに参加するのはクラブでは初めて。吉田監督は「震災の日に初練習があって、震災とヴィッセル神戸はともに立ち上がったクラブ。僕たちはサッカーを通して震災を知らない世代にまで伝えないと」と力強く話した。
昨季、天皇杯優勝、リーグ連覇の立役者となり、MVPを獲得した元日本代表FW武藤嘉紀は「大きな犠牲があった神戸の地でサッカーをやらせてもらっている。幸せとあらためて感じた。サッカーを通して多くのパワーを与えないといけない。語り継がれた思いをしっかりくみ取って、後世の方にも引き継いで、この大震災は経験もともに引き継いでいかないといけない」と言葉を詰まらせながら、思いを語った。