◆テニス ▽全豪オープン 第6日(17日、オーストラリア・メルボルン)
【メルボルン17日=吉松忠弘】2度の全豪優勝を誇る元世界女王の大坂なおみ(フリー)が、第1セットを6-7で落とした後、棄権した。元世界4位で、21年東京五輪金メダルのベリンダ・ベンチッチ(スイス)に5-2とリードした。第1ゲームの自分のサービスゲームを落としたが、その後から、突然、ハードヒットに転換。持ち味の強打が、コーナー、コーナーに決まる勢いで、主導権を奪った。
しかし、5-2とリードした後、体をそらしてサーブを打てなくなり、棒立ち状態。そのまま腕だけでサーブをしていたが、5オールまで追いつかれた。何とか第11ゲームはサービスキープをしたが、タイブレイクで力尽きた。
5-4リードの時に、ベンチで体をそらし、1分ほど伸びをした。6-5リードでは、トレーナーを呼び、錠剤を服用。タイブレイク前には、ムラトグル・コーチと相談する姿も見せた。しかし、第1セットを落とすと、1度はベンチに戻ったが、同コーチとアイコンタクト。そのまま主審のところに歩み寄り、棄権することを告げた。
大坂は、2週前の前哨戦ASBクラシック(ニュージーランド・オークランド)で約2年9か月ぶりにツアー決勝に進出。決勝では第1セットを6-4で奪ったところで、腹筋を痛め棄権していた。全豪前の会見では、MRI(磁気共鳴装置)検査を受けたことを明かし、「最高の結果ではなかったが、悪くもなかった。プレーできる」と話していた。