フジテレビは17日、東京・台場の同局で定例社長会見を行った。港浩一社長らが出席し、一部週刊誌で報じられたタレント・中居正広による女性トラブルに関して初言及。第三者の弁護士を入れた調査委員会の新設を表明し、同局社員の関与を改めて否定した。
会見を受けて、危機管理会社「エイレックス」の江良俊郎社長は、「大きなリスクを抱えている」などと同局の問題認識の甘さを指摘。さらに、会見内容や今後の動向について5つのポイントに注目した。
(1)「会見時期」 昨年12月の週刊誌報道から約1か月後の開催。
「今回は当事者が示談している問題で、被害者女性への配慮も必要など様々な制約がある中で、会見予定はなかったのだろうが、17日の内容なら昨年のうちに社長が会見してもよかった。報道されてもすぐに鎮静化する問題、と甘く考えていたのではないか」
(2)「開催形式」 会見の参加媒体を記者会加盟社に限定し、生中継・配信を行わなかった。
「ネット上でも批判されているが、このようなやり方は視聴者からは『コソコソとしている、報道機関としてどうなの?』と受け止められ、より一層の批判につながりかねないと言える」
(3)「約1年半の空白期間」 港社長を含む局側が、中居と女性のトラブル発生直後の2023年6月から事態を把握していたことが会見で明らかに。
「すぐに公表できない事情は理解できるが、結局、表に出てしまった。報道されなければ一切公表せず対応しなかったはず、という後手後手の印象を与えたと言える」
(4)「一連のトラブルを巡る社員の関与を否定」
「会見内容が今後の調査委員会の事実認定と異なった場合、どのような事態になるかは理解できているはず。関与していないことに自信があるのか、もしくは十分な調査をせず、拙速に回答したのではないかと考えられ、大きなリスクを抱えている」
(5)「再度会見の必要性」
「社会のフジテレビへの関心は、トラブルを把握した際の会社の対応は適切だったのか、女性に寄り添っていたのか、本当に社員の関与がなかったのか、女性を献上する文化、社内の企業風土が背景にないか、社長はじめ幹部の感覚がマヒしているのではないかといったことであり、(調査)報告書が出た段階で当然会見し、処分(の有無など)も開示しなければならない」
会見、およびそこに至るまでの経緯は、大手メディアの対応としては十分でないとした。
◆「中居騒動」の経過
▼2024年12月19日 「女性セブン」が中居の女性トラブルを報じる
▼26日 「週刊文春」が中居が女性に解決金9000万円を支払ったことや、トラブルにフジテレビ社員が関わっていたと報じる。中居の弁護士は「解決済み」と回答
▼27日 フジテレビが公式サイトで、社員の関与を否定
▼2025年1月8日 フジテレビが「だれかtoなかい」の当面休止を発表
▼9日 中居が公式サイトでメッセージを発表し「トラブルがあったことは事実」。テレビ朝日は「中居正広の土曜日な会」の当面の間の休止を発表
▼15日 米投資ファンドのダルトン・インベストメンツとその関連会社が、中居の問題に関する調査や信頼回復を求める書簡を送付し「私たちは激怒しています」とコメント。日テレが「ザ!世界仰天ニュース」の中居の降板を発表
▼17日 フジテレビが記者会見を開く