ソフトバンクの中村晃外野手が今季も「中村晃」表記でプレーする可能性が18日、浮上した。福岡市東区の福岡工大FITスタジアムで自主トレを公開。中村亮太投手がロッテに移籍したことに伴い、今季から中村姓は1人。本来ならスコアボードの表記は「中村」になるが「ちょっと考えときます」と「晃」を残すことを検討すると明かした。
「晃」(あきら)と呼ばれることに、こだわりがある。「中村さ~ん」と声をかけられても自分のことかどうか判断しづらいという、世の佐藤さんや鈴木さんらと同様“メジャーな名字あるある”を抱えている。「最初の頃は『中村』だけで出てたんですよ。でも下の名前で呼んでもらえるとうれしいですね。そういった意味でも」と今後、フロントと相談する可能性を示した。
元中日の山本昌は、1995年オフに山本姓が1人になったが「山本昌」表記にこだわり、96年から登録名を姓名の区別がない「山本昌」(本名は山本昌広)に変更している。そのエピソードを報道陣から聞いた中村晃は「なるほどー」と思案顔。再び「ちょっと考えときます」と笑顔を見せた。
試合終盤の決定機。スタジアムDJによる「Pinch Hitter! ○番・○○○○に代わりまして」のアナウンスの後、登場曲のエド・シーラン「Shape of You」のイントロが奏でられると、みずほペイペイ全体から悲鳴のような歓声が上がる。そして「ナカムラ~アキラ~!」とDJがシャウトして熱気は最高潮に達する。本拠地では誰でもフルネームでアナウンスされるが、敵地のウグイス嬢に「○○に代わりまして、中村」と“呼び捨て”にされては興ざめだ。
本拠地スコアボードの表記だけ元オリックス・金子千尋らのようにフルネームにするのか、それとも山本昌スタイルで登録名ごと変更するのか。そのあたりは未定だが、今年も「中村晃」としてプレーする可能性はあるようだ。
ちなみに守備位置の登録は外野手を貫くという。この日の自主トレでもノックはファーストミットをつけて内野で行ったが、外野ノックは受けなかった。昨年、周東佑京内野手が外野手としてゴールデン・グラブ賞を受賞したが「晃さんも外野手でしょ。来年も周東佑京内野手で」と登録変更は申し出なかった。晃も「今さらいいかな、みたいな。面倒くさいじゃないですか手続きとか。やったことないので分かんないすけど。支障がないなら、何でもいいかなと思いますけど」と、そこは「晃」ほどのこだわりはない様子。堅守の一塁手は、今季も「外野手」としてプレーする。