ロッテからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた佐々木朗希投手(23)が18日、自身のインスタグラムでドジャースとマイナー契約を結んだことを発表した。大谷翔平投手(30)、山本由伸投手(26)と共闘して黄金時代を築き上げることになった。
決め手は、世界一のチームならではの環境だ。朗希は1次面談で「投手育成プログラムについて詳細に聞かせてほしい」という要望を各チームに出した。詳細は不明だが、ド軍の戦力が魅力なのは確かだ。
来季のドジャースは、山本、グラスノー、スネルの3人が柱。そこに大谷、ゴンソリン、メイ、ミラーらが先発ローテに入り、通算212勝のカーショーも再契約が見込まれるなど、先発陣の頭数は現時点では十分にそろっている。
23歳と成長途上で規定投球回到達経験がない右腕。22年の20登板と129回1/3が最多とあって、朗希がシーズンを通してフル回転するとは考えにくい。メジャーの主流はローテ5人制で中4日だが、ドジャースは昨シーズン、基本的には6人ローテを敷いた。大谷が二刀流枠で、ベンチ入り投手枠の13人に入らないことも追い風になって、今季も6人ローテを敷くことが濃厚になっている。
昨季は先発投手陣に故障者が続出。シーズン終盤には明らかに頭数が足りなかった。それでも、12年契約の山本を中4日で投げさせることは、ポストシーズンでもなかった。ピッチクロックが導入されて故障リスクが高まる中で、高校時代から人一倍故障には敏感となっていた朗希に、投手を大切にするチーム方針は光っていたはずだ。
MLB公式サイトのジョン・モロシ記者は「ドジャースが頻繁に6人ローテを採用していることが、すでに山本がメジャーへ適応する手助けをしたことを証明している」と指摘。また同記者は、山本と同じワッサーマン事務所で、マネジメント会社も同じであると記した上で、決定を決断するまでの24時間の間に「山本と佐々木の間で、非常に重要な会話があったと聞いた」とコメント。親交も深い右腕の存在も大きかった。
ド軍は25年に入ってから国際アマチュア選手獲得の「国際ボーナスプール」を使わず、一方で24年は一部を残すなど朗希獲得のために他の選手獲得を犠牲にしてきた側面もある。長い年月、他球団との争奪戦を経て相思相愛となった。(安藤 宏太)