◆プロボクシング ▽東洋太平洋フェザー級(57・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者・中野幹士(3回KO)同級11位・英洸貴●(1月18日、東京・後楽園ホール)
東洋太平洋フェザー級王者・中野幹士(29)=帝拳=が、同級11位・英洸貴(26)=カシミ=を3回KOで下し、初防衛に成功し。連続KO勝利を「7」に伸ばした。戦績をデビュー以来無傷の12戦全勝(11KO)とした。
3回、中野の左アッパーが英のアゴをとらえた。英は後ろに1回転するダウンを喫した。再開後、反撃に出た英の左アッパーに、左アッパーから右フックのコンビネーションを合わせて2度目のダウン。レフェリーが10カウントを数えると、中野はロープに飛び乗り喜びを爆発させた。
「練習していたものがバッチリはまった。相手がアゴを引いていたので、ストレートよりアッパーの方がいいと思った。手応えがあった」とKOシーンを振り返った。
中野にとって2020年12月以来の日本人との対戦。「いつもは試合前に負ける夢を見るが、今回は初めて6回KOで勝った夢を見た。(試合でも勝って)良かったです」と安堵の表情を見せた。
フェザー級でWBA6位、IBF9位、WBO12位、WBC15位と主要4団体すべてで世界ランク入りしている。中野自身は「まだ実力が伴っていないので、一戦一戦地力をつけていきたい」と慎重だったが、元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー(40)は「練習してきたパンチがドンピシャに決まった。最初のダウンをとった後も冷静に対処できていた。合格点です」と評価し「もっと鍛えます」と笑顔で話した。帝拳ジムの本田明彦会長(77)も「うちのチャンピオンの中でもちょっと1人抜けている。次は間違いなく世界ランカーとやらせます」と明言した。
“鉄の拳”とも評される強打で、世界を目指す。