Infoseek 楽天

“野球で遊ぶ”を子供たちにどう提供するか 大学&高校の名将が熱トーク…神奈川学童野球指導者セミナー

スポーツ報知 2025年1月20日 8時0分

 野球をする子どもたちの未来を考える「第6回神奈川学童野球指導者セミナー」が19日、横浜市内の横浜市西公会堂で開かれた。元明大監督で大学日本代表監督も務めた善波達也氏と、横浜隼人を2009年夏の甲子園に導いた水谷哲也監督が講師役で登壇。元桐蔭学園監督の大川和正氏が進行役を務め、「学童野球がどのように将来につながるか」をテーマにトークセッションを行った。

 ともに指導者として現場に根ざし、多くのプロ野球選手を送り込んできた。少年時代、野球との関わりについて善波氏が「“遊びが野球”という時代だった」と言えば、水谷監督も「バイブルは野球漫画の『キャプテン』や『プレイボール』。『ドカベン』でルールを学んだ。『習うより慣れよ』という時代」と振り返った。その上で水谷監督は「“遊び”の部分をどう子供たちに提供することができるか。小さいときから『できる喜び』『やれる楽しさ』を教えていきたい」と語った。

 “野球で遊ぶ”という点において、横浜隼人の硬式野球部がチャレンジする男女混合5人制の手打ち野球「Baseball5」(B5)に関する報告もなされた。道具代もかからず、手軽に楽しめるメリットもあり、世界80か国以上でプレーされている。13日に東京・立川市内のアリーナ立川立飛で行われた「侍ジャパンチャレンジカップ 第2回Baseball5日本選手権」のユースの部で、横浜隼人は2年連続の日本一に輝いたばかりだ。

 「高野連に申請すれば、野球部員も大会に出場できる。小学校低学年の体育の授業に入れてもらえたら」と水谷監督。野球競技人口減という課題に直面する中、「B5」が男女問わず、多くの子供たちが野球にふれるきっかけになり得るとの見解を示した。

 子供たちが野球を通じて学べることに、「相手を思いやる気持ちが芽生え、チームプレーの中で『役に立ちたい』『負けたくない』という気持ちが、繰り返しの練習につながっていく」と善波氏。水谷監督も「『人として成長すること』と『勝つこと』は右足と左足。利他の心…チームのために、人のためにどれだけできるかを考えることは、人生でプラスになる」と述べた。野球界の土台作りという意味でも、学童野球の重要性を再認識する貴重な時間になった。(加藤 弘士)

この記事の関連ニュース