第101回箱根駅伝(1月2、3日)で総合新記録の10時間41分19秒で2年連続8度目の優勝を果たした青学大の皆渡星七(みなわたり・せな、3年)が19日、自身のSNSで昨年11月に「悪性リンパ腫」と診断され、現在、治療を続けていることを明かした。
「がんになっても箱根を目指したい」と題した文章の中で「がんやがん以外と闘うアスリートの一つの“道しるべ”のようなものに出来たらと思っています。がんになっても諦めない“あなた”に、少しでも希望と元気を届けられれば幸いです。又、闘病を支えるご家族や友人、駅伝ファンの皆様にまで届けられればそれはもう最高です」などと記した。
皆渡は2年生だった前回の第100回箱根駅伝では16人の登録メンバー入りを果たした実力を持つ。7区に登録され、当日変更で出番なしとなったが、原晋監督(57)には「第101回大会では復路の主力になれる」と期待され、例年、青学大の有望株が参加する2月の熊日30キロロードレースに挑み、1時間33分35秒で7位入賞を果たした。
3年生に進級した後も5000メートルで13分51秒38の自己ベストを更新するなど成長を続けている。夏合宿でもチームメートと一緒に厳しい練習に取り組み、昨年11月の全日本大学駅伝でも16人の登録メンバーに名を連ねた。第101回箱根駅伝でも主力選手として期待されていたが、11月以降、チーム練習に参加していなかった。
原監督は「本人が公表したので、私もお話できる範囲でお話します」と前置きした上で説明した。
「秋以降、急に体調が悪くなり、私も驚きました。現在、選手寮を離れて、治療しています。箱根駅伝前のミーティングにはリモートで参加しました。『走れることは当たり前ではありません。箱根駅伝、頑張ってください』とチームメートを励ましました。みんなで彼を励まさなければいけないのに、みんなが彼に励まされた。第101回箱根駅伝で優勝できたのは間違いなく皆渡の力がありました。『がんになっても箱根を目指したい』という皆渡を応援します。そのためにも、まずは治療に専念してほしい」
原監督は今大会に向けて「あいたいね大作戦」を発令し、連覇を成し遂げ「大成功です」と話していたが、実はまだ終わっていなかったことを初めて明かした。
「元気になった皆渡がチームに戻ってきた時、初めて『あいたいね大作戦』が完結します」
元気で、明るくて、強い皆渡星七がチームに戻ってくることをみんなが待っている。
皆渡が19日にSNSのnoteに記した文章は以下の通り。
【自己紹介】がんになっても箱根を目指したい
初めまして! わたりと申します。
来年の箱根駅伝優勝を目指す、がんサバイバーとしてこれから話していきたいと思います。
青山学院大学の陸上長距離部長距離ブロックに所属しています。
昨年の11月に“悪性リンパ腫”と診断され、現在も治療を続けています。
趣味は、料理・レコード集めです!
特に料理は大好きで、最近は低温調理器を購入検討中です、、、。
よく聞くジャンルはレゲエ、HIPHOP、テクノとか色々聞きます。
特に治療でしんどい時は、“EXPRESSさんのもぐらの唄”で力もらってます!
noteを通して発信したいこと
大きく二つあります。
一つ目
現在がんと闘っている、またこれからがんになるかもしれないアスリートに向けて、どういった立ち上げ、リハビリをしたのかという記録を残し、発信したい。
二つ目
僕の持っているポジティブ思考と内面的な成長を、アウトプットしたい。
以上二点です。
詳しい内容は次の投稿でお話したいと思います!
最後に
これから私が、書いていこうと思っている事は、多くの人にとって関係のない事かもしれません。しかし、一部のがんやがん以外と闘うアスリートの一つの“道しるべ”のようなものに出来たらと思っています。
がんになっても諦めない、“あなた”に、少しでも希望と元気を届けられれば幸いです。又、闘病を支えるご家族や友人、駅伝ファンの皆様にまで届けられればそれはもう最高です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
私自身いい加減なところもありますので、更新にばらつきが出ると思いますが、元気な時に更新していきたいと思います。
拙い文章ではありますが、応援の程よろしくお願いいたします。
◆皆渡星七(みなわたり・せな)2004年2月2日、大阪・豊中市生まれ。20歳。22年に関大北陽高から青学大経営学部に入学。2年時の第100回箱根駅伝では16人の登録メンバー入り。自己ベスト記録は5000メートル13分51秒38、1万メートル28分49秒30、ハーフマラソン1時間3分30秒。