プロボクシングの大橋ジムは20日、都内で会見し、3月25日に東京・後楽園ホールで行われる「Lemino BOXING フェニックスバトル131」の対戦カードを発表。2012年ロンドン五輪バンタム級銅メダルの清水聡(38)=大橋=が、世界挑戦経験のあるWBC世界フェザー級8位・阿部麗也(31)=KG大和=とフェザー級10回戦で対戦する。
3月13日に39歳になる清水は、23年7月にWBO世界フェザー級タイトルマッチで王者ロベイシ・ラミレス(キューバ)に5回1分8秒TKOで敗れた。一時は引退も示唆していたが、約1年8か月ぶりにリングに上がる。「ずっと体のバランスが悪かった。いい状態にもっていければ、本当に強い動きが出せる。それを出さずして『清水はたいしたことなかった』と言われて終わっていいのかと思った」と復帰を決断した理由を明かし、「体の動きも一気に良くなってきた。強い清水をみんなに見てもらいたい。メダリストとしてこのまま終わりたくない」と意気込みを語った。
対する阿部は、昨年3月にIBF世界フェザー級王者ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に8回TKOで敗れ、再起2戦目。「今回は清水選手と生き残りを懸けた戦い。お互い世界戦を経験して負けて先がない状態。ここで自分がしっかり勝って生き残って、もう一度世界の舞台に行きたい。あと、試合日は阿部さんの誕生日。最高のバースデーにしたいと思います」と話した。
さらに、清水に対して、舌戦も仕掛けた。「正直なところ、試合の話が来て『まだ清水選手、やってたんだな』と思った。しっかりと自分が引導を渡して『お疲れさまでした』と。自分がしっかり勝って、ここからはい上がりたい」と挑発した。
一方、それを聞いた清水は「僕は自分のためにやっているので、負けたら負けた、勝ったら勝った、というだけの話。自分を貫き通すだけ」と受け流し、「目の前の試合を全力でやるのがモットー。目の前の一戦を頑張ります」と冷静な言葉に覚悟を込めた。
戦績は清水が11勝(10KO)2敗、阿部が26勝(10KO)4敗1分け。