ドジャースの大型補強が止まらない。佐々木朗希投手(23)がド軍入りを表明してから2日後の19日(日本時間20日)、パドレスからFAとなっていたT・スコット投手(30)を4年7200万ドル(約112億3200万円)で獲得したとMLB公式サイトなどが報じた。大谷翔平投手(30)は、左のリリーバーを通算13打数1安打と苦手にしており、自軍が獲得したことで米メディアは「大谷の弱点が解消された」など、一挙両得の見方を示した。
ドジャースが朗希に続き、“大谷キラー”までも手に入れた。獲得が決まったスコットは、昨季はマーリンズとパドレスの2球団で計72試合、72回0/3を投げ、防御率1・75。昨季MVPの大谷はこの左腕に対し、通算13打数1安打(プレーオフを含む)と苦手にしており、昨年10月の地区シリーズでは計4度の対戦でいずれも三振。結果的に“天敵”が1人減ったことになり、米メディアは「大谷の弱点が解消された」と指摘。今季中に復帰する見込みの投手・大谷にとっても、後を託すリリーフとして頼りになる存在になりそうだ。
歴史的な争奪戦を制した興奮冷めやらぬ中、補強の手は緩めなかった。2日前には、フリードマン編成本部長が「今オフの最優先事項」と挙げた朗希との契約合意を発表したばかり。今オフはサイ・ヤング賞2度のスネル、韓国人内野手の金慧成を獲得し、トライネン、T・ヘルナンデスと再契約を結ぶなど、大谷、山本を獲得した昨オフに続き、大型補強が続いている。
スコットはサイド気味の変則投法から100マイル(約161キロ)に迫る速球とキレのあるスライダーを操る剛腕リリーバー。4年総額7200万ドル(約112億3200万円)の大型契約で、年平均1800万ドル(約28億800万円)は、リリーフ投手のFA契約では史上3番目の高額だ。25年の推定総年俸は、すでに球団新記録だった昨季を上回る約3億6900万ドル(約575憶6400万円)で、今年度分では全30球団で最初に年俸総額が3億ドルを突破したという。
今オフに向け、ゴームズGMが「投手が最優先で次に外野手」と補強ポイントを明言していた通りに“超ド級”な補強が次々に成功。戦力的に手薄だった左の救援陣も整備。先発陣は佐々木の加入でグラスノー、山本、大谷らと「史上最強の先発ローテ」の形成が期待される。98~00年のヤンキース以来となるワールドシリーズ連覇に向け、視界は良好だ。