◆テニス ▽全豪オープン 第10日(21日、オーストラリア・メルボルン)
【メルボルン21日=吉松忠弘】車いすテニスでパリ・パラリンピック男子シングルス最年少金メダルの小田凱人(東海理化)が1回戦をわずか58分で勝利し、大会2連覇に好発進だ。大会推薦出場で同36位のアンダーソン・パーカー(オーストラリア)に6-0、6-3のストレート勝ち。昨年のパリ・パラリンピックからの連勝を18に延ばした。
小田は、相手に対し「あまり見たことがない選手。だから、逆に(プレーするのが)難しい」。実力の違いすぎる相手だったため「上がっていこうとしても上がりきらずに終わる」が、わずか22分で第1セットを完封。第2セットこそ集中力が落ちたか、1-3とリードを許した。しかし、そこから「気合いを入れ直した」ことで一気にギアを上げ、5ゲームを連取して決着をつけた。
大会前の会見では「みなが驚くことをしたい。何か同世代に影響を与えたい」と話していたが、この日は、あまりの実力差で、得意のパフォーマンスを出す雰囲気はなかった。
次戦は、同14位の真田卓(TOPPAN)との対戦が待つ。昨年9月の木下グループ・ジャパン・オープン決勝で戦った相手だ。「テクニックを使ってくるので、そこは警戒していく」。対戦成績は9勝0敗だ。 この日の試合後、いつも勝利の時に必ず繰り出すエア・ギターのポーズが出なかった。「この後、ちゃんと納得いく感じで試合してから」と、勝利のポーズは真田戦に取っておく。