マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター・イチロー氏(51)が21日(日本時間22日)米野球殿堂に選出された。MLBネットワークの番組内で発表された。ヤンキース一筋でメジャー史上最多652セーブを挙げたM・リベラ氏以来、6年ぶり史上2人目の満票選出が期待されていたが、1票足りなかった。引退後5年の有資格1年目。日本人ではもちろん史上初、日米両方の殿堂に選ばれることもまた史上初の快挙となった。殿堂入りの式典は7月27日にニューヨーク州クーパーズタウンで行われる。
USAトゥデー紙のB・ナイチンゲール記者は、イチロー氏と野球殿堂との秘話を公開した。
「この人物はルネサンスマンだと、会ってすぐに思いました」と、野球殿堂のアイデルソン氏は語ったという。同氏によると、首位打者、盗塁王を達成したルーキーイヤーの01年11月12日、新人王選出の知らせを受けた際にイチロー氏は殿堂を初めて見学に訪れていた。同年に使用していたバットを寄贈済みだった。電話で居場所を尋ねられると「アメリカにいます」とだけ答え、収蔵物を熱心に見学した。「彼は野球以上の存在でした。彼は野球という文化、そしてそれへの敬意に強くひかれていて、アートコレクションをはじめ、それ以降、訪れる度に別の収蔵品について学びたいと考えていました。それは本当に印象的でした」と証言。現役時代に8回訪れたといい、同氏によると他の選手よりはるかに多いという。
アイデルソン氏は「彼によってこれは非常に大きな意味を持つと思います。米国と日本、そして野球全般の歴史を彼以上に理解している人はいません。米国だけでなく、日本でも、すばらしいキャリアの頂点になるでしょう。彼の野球へのリスペクト、次のレベルへ引き上げたいという意思。彼はそれを実現したと言えるでしょう」と称賛を惜しまなかった。