マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター・イチロー氏(51)が21日(日本時間22日)、日本人で初めて米野球殿堂に選出された。「MLBネットワーク」の番組内で発表された。メジャー史上最多の652セーブを挙げたM・リベラ氏以来史上2人目の満票選出には1票届かなかったが、引退後5年の有資格1年目で、日米同時殿堂入りも史上初の快挙となった。殿堂入りの式典は7月27日にニューヨーク州クーパーズタウンで行われる。
「MLBネットワーク」の番組内で行われたイチロー氏とMCらのやりとりは以下の通り。
―殿堂入りは、あなたとあなたの国にとってどういう意味を持ちますか。
「まず、2001年に挑戦が始まったわけですけど、当時、僕が2025年の今日、ホールオブフェイム(殿堂入り)の発表の場にいられることを全く想像できなかったです。MLBでプレーすることすら、できるのかどうかという議論がたくさんあったので。僕個人としてもそうですし、日本のプレーヤーとして初めてということで、大変光栄なことだと思っています」
―そもそも、なぜマリナーズで始まったのか。
「当時のポスティングシステムのルールは一番ビット(入札金)が高いチームがその権利を得ると。しかもその1チームとしか交渉ができないわけで、それがマリナーズだった。ハイエスト・ビットがマリナーズであったということですね」
―どの試合が一番喜びを感じた試合ですか。
「野球の魅力は、ゲームそのものにももちろんあるんですけど、多くの人に出会えるということだと思います。その多くの人の出会いが自分をつくってくれる、自分をつくってくれた。それが何よりの財産であり、楽しいことと言えると思います」
―7月にクーパーズ・タウンに来る時は、どのホールオブフェイマーと会うことを楽しみにしていますか。
「これは難しい質問ですけど、普段、今マリナーズでユニホームを着て選手たちと一緒に練習しているんですけど、シアトルではない特別な場所、クーパーズ・タウンで、ケン・グリフィー・ジュニア、エドガー・マルティネス。この2人と会うことをすごく楽しみにしています。それと、久しぶりにジーターですね」
―20年以上前の映像があります。好きな英語の表現を聞いた時の映像をみてください。
(若き日のイチローが対談で好きな英語を聞かれ、放送禁止用語を答える。スタジオ爆笑)
―悪いチームメイトがいたんですね。誰が教えたんですか。
「まず、あれをテレビの前で言ったことをすごく後悔しています(笑)。あれを教えてくれたチームメイトはライアン・フランクリンです」
―今もっと好きな英語の表現がありますか。それとも、あれがまだ一番のお気に入り?
「あれから後悔して、そういうことを言うのをやめようと決意したので、何もないです」(再びスタジオ爆笑)
―ここに特別ゲストを招いています。ご覧ください。(ケン・グリフィー・ジュニア氏が映像に登場。イチロー氏は驚いたような表情)
グリフィー氏「おめでとう。心から殿堂入りに値するし、とてもハッピーだ。私の妻も、知らせを聞いて飛び回っているよ。こうやって電話ができたのは名誉であり、再会が待ちきれません。一つだけ。酒を持ってきてね。それはルーキーの任務です。あなたは今、25年ぶりにルーキーになりました。私たち2人のために、いいお酒を持ってきてくれるのを期待しています」
イチロー氏「ジョージ!(グリフィー氏のミドルネーム)ありがとう。サンキュー」
グリフィー氏「私が殿堂の式典に初めて行った時は緊張しました。フィールド上でも、外でも素晴らしい選手だった彼のために、私も緊張します。また新しいマリナーズの選手が殿堂入りしたことは、本当にうれしい。これでエドガー(マルティネス)に加えてまた仲間ができた。我々はマリナーズのグループ会議ができます。社長がいて、財務部長がいて、秘書もいるので、ビジネスが成立しますよ」