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イチロー氏が感情表現が豊かで魅力的なおじさんに メジャー3年目と4年目取材記者 昨年20年ぶりに再会した印象語る

スポーツ報知 2025年1月23日 6時0分

 【米ニューヨーク州クーパーズタウン】米野球殿堂は21日(日本時間22日)、今年の米殿堂入りメンバーを発表し、メジャー通算3089安打を放ったイチロー氏(51)=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=がアジア人で初めて選ばれた。

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 2003年と04年シーズンの一部で、イチロー氏を取材した。メジャー3年目と4年目のシーズンだ。「3年やって本物」との持論のもと、イチロー氏はストイックに毎日を過ごしていた。クラブハウスではシャワー後に保湿クリームを塗った後、ロッカー側を向き座ったままで記者の囲みに応じるのが当時の恒例。そこで的外れな質問をしようものなら回答はなく、場の空気は凍り付いたものだった。

 04年10月1日、レンジャーズ戦で二遊間を抜く中前打を放ち、当時の記録であるG・シスラーの257安打を抜く258安打目を放った。万雷の拍手にヘルメットを脱いで応える姿もまた、クール、スマートという言葉がピッタリだった。

 その後、イチロー氏と再会したのは昨年9月、高校野球女子選抜VSKOBE CHIBEN戦だった。20年ぶりに見た51番は、アラフィフを迎えた大人の余裕か、感情表現が豊かで、魅力的なおじさんになっていた。試合後の囲み取材では、うならされる発言あり、笑いあり。すごく良い空気感だった。

 当時、立場を逆にして考えてみれば、162試合で「あのヒットが」「どんなボールが」「打席で何を考えていた」などと毎回毎回尋ねられたら、そりゃうんざりするよなと思う。当時からイチローはプロの質問を求めていたのだ。そんな現場で低打率な質問に終わっていた自分は、まだまだアマちゃんだった。(西村 國継)

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