ソフトバンクの又吉克樹投手が22日、「ダメなら引退」の覚悟で4年契約最終年に臨む決意を示した。大分・佐伯市内で柳田悠岐外野手が主宰する自主トレを公開。笹川、佐藤直、DeNA・梶原と野手が居並ぶ中、“投一点”のサイド右腕はマウンドからの投球を披露した。プロ12年目を前に初めての合同自主トレ。それまでは孤高のトレーニングを行っていたベテランに、どのような心境の変化があったのか。
今季は移籍4年目。4年契約のラストイヤーだ。昨季は移籍後最多の40試合で登板したが、ポストシーズンは出場なし。勝ちパターンの救援投手という立ち位置は、外国人や若手らに奪われてしまった。だからプロ初の合同自主トレのテーマは「原点回帰」。ルーキーイヤーの2014年から3年連続60試合以上登板した中日時代のトレーニングメニューを取り入れた。それが打撃練習だ。
「プロに入った時、ドラゴンズでバットを振らされてて成績が良かった。DHがないってのもあって、キャンプでずっと打ってました。連ティー(連続ティー打撃)もやっていた。それで成績をずっと残していたけど、ホークスに来たらそういうの(成績)がない。じゃあ『昔やってて、今ないのってなんだろう』となったら、あれじゃないかなって。プロに入って、一番最初に教えてもらった練習法をこなしてみようかなって」
さらに遊撃の守備位置でノッカーのゴロを捕球し、大きなモーションから一塁に投げる、中日で言うところの“サードスロー”もメニューに取り入れた。
「練習も含めて悔いのないように。契約は最終年ですし、ダメなら引退という文字もよぎってくる年。そういう意味で、毎日毎日やりきったと思えるように練習しています」
昨年シーズン中、柳田と自主トレの話題になり「せっかくだったら、こっちでやったら?」と声をかけられた。
「もう一度、走って、投げて、打って、体つくってやってみようかと。ウェートもガッツリすると聞いたので。自分にない刺激を求めてきましたけど、本当に来て良かった」
和田毅の引退に伴い、東浜と同じチーム最年長投手となった34歳。必ずもうひと花咲かせてみせる。