女流将棋の西山朋佳女流三冠=白玲、女王、女流王将=のプロ棋士編入試験五番勝負最終局が22日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指され、西山は先手の柵木(ませぎ)幹太四段に135手で敗れ、通算2勝3敗で不合格。史上初の女性棋士はならなかった。
終局後の対局場での取材で、西山はまず「難しい立場で、5人の試験官の方々には公式戦もあって忙しい中、メリットもない対局でも、それぞれの考えで向き合ってくださったこと、すごく感謝しています」と五番勝負の対戦相手に礼を述べた。
負けたら終戦の状況で、奨励会三段リーグ時代に0勝5敗で勝てなかった強敵・柵木相手だったが「想像以上にいつも通り。棋士の中でも一番指している方で、あまり緊張せず挑めた」と語った。
後手番でも、得意な三間飛車は準備通り。だが序盤は「戻しても苦しい変化も多いので、一つの大きな課題でした。ただ、自分の中では意外な組み合わせで、思わしくない序盤になった。途中は何かあるかな? といったところでしたが、いい手が見つけられなかったのか、苦しい将棋だった」と序中盤を説明した。
押された終盤も「もしかしたら何かあるかもしれないと思っていたんですけれど、やっぱりちょっと足りない」と負けをじわじわと覚悟した様子だった。
それでも女流三冠だけに、今後も公式戦参加は続きそう。再挑戦の可能性は「今日は今日のことだけ考えてきたので…今後のことについては、いったん整理してから考えたい」と含みを持たせた。
記者会見では「幸運な面もあって最終局までいけたのかなと思うこともある。充実していた」と振り返り、「落ち込む間もなく、女流棋戦もあり、注目していただきたい。女流は活性化して魅力を増してきた業界。私自身、少しでも携わっていきたい」と締めくくった。