女流将棋の西山朋佳女流三冠=白玲、女王、女流王将=の棋士編入試験五番勝負最終局が22日、大阪・高槻市の関西将棋会館で指され、西山は先手の柵木(ませぎ)幹太四段に135手で敗れ、〇●●〇●の2勝3敗で不合格。史上初の女性プロ棋士誕生はならなかった。以下は西山の終局後会見のやり取り
―昨年9月からの全5局を振り返って
「5か月~半年ぐらい、編入試験のことをずっと考えていた。期間的には長いなとは思ってたんですけど、日程が近づくとあっという間。期間中の棋戦と並行して、いろいろなことがあったんですけれども、自分自身、幸運もあって最終局まで行けたのかなと思うこともあって。年明けまでもつれ込むっていう想像はしてなかったんですけれど、充実した期間だったかなと思います」
―現在・福間の里見香奈女流五冠の挑戦(2022年、0勝3敗)に影響を与えられたか
「受験を決めるにあたって福間さんが受験されたことは関係なく、自分自身のことを考えて。(奨励会)三段リーグで14勝(4敗=19年度後期の第66回)したというところを踏まえて受験しようかなと思いました。福間さんの試験ももちろん、ほかの方々の編入試験も拝見して、やっぱり思っていたのは独特の緊張感というか、五番勝負っていうよりは、5人の方との対戦ということで、普段のやらせていただいている番勝負とは違うような駆け引きも生じるのかなとは思っていました」
―五番勝負を通じて得られたものは
「たくさんの方に注目していただいているということで、それに見合った将棋をという意識もありましたし、少しでも納得のいく将棋をと日頃取り組んでいましたので、将棋に触れる時間も増えて充実した期間で収穫も多かったのかなと思います」
―足りなかったと思う点は
「今日の最終局もそうですけれども、準備との微妙な違い、変わった時に対応する力が足りなかったのかなというところ。準備の段階でも感じていたことですけれど、後手特有の悪くしないような…という意識的な取り組みを求められるといったところで、あまり成果が出せなかったのかな」
―「今後はいったん家に帰って考えたい」と。改めてこれからの夢は
「落ち込んでいる間もなく、女流のタイトル戦をやらせていただくということで、そちらの方も注目していただけるとうれしい。女流棋界は今、活性化していただいて魅力を増してきた業界。私自身、少しでも携わっていければいいかなと思っています」