◆テニス ▽全豪オープン 第12日(23日、オーストラリア・メルボルン)
【メルボルン23日=吉松忠弘】車いすテニスでパリ・パラリンピック女子2冠の上地結衣(三井住友銀行)が、5年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。前哨戦決勝で敗れた同7位の李暁輝(中国)に6-4、6-1のストレート勝ちで見事に雪辱だ。決勝では、同3位のアニク・ファンクート(オランダ)と対戦する。対戦成績は上地から48勝21敗。
前哨戦メルボルン・オープンの決勝では、強打の李に受け身に回り、ストレートで敗れた。しかし、舞台は4大大会だ。27日には約6年7か月ぶりの女王復帰も決まっており、簡単に負けるわけにはいかない。
第1セットは1-4とリードされた。しかし、対策がじわじわと効いてきた。変化に弱い相手に、スライス(逆回転)の球を使った。また、リターンを相手の車いす近くに返球し、腕を振るのをきつくさせ強打を封じたり、体格で劣る分、戦略でミスを誘った。
一気に9ゲームを連取。準々決勝後に「しっかりと嫌なところ、やりづらいところを、サーフェスや風とかも含めて探って、勝機をつかみたい」と話していたように、完全に作戦勝ち。経験の違いを見せつけた。
決勝の相手は、過去69戦も対戦している旧知の間柄だ。全てを知り尽くしたお互いだけに、上地も決して侮れない。しかし、決勝では9連勝中。女王復帰に、5年ぶり3度目の優勝は譲れない。