鹿島は23日、宮崎市内で非公開の2部練習を実施した。今季初のJ1クラブとの対外試合となる25日の岡山戦に向け、調整を行った。
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現段階で、今季開幕戦湘南戦(2月15日)のスタメン予想を的中させることはかなり難しい。選手の序列が見えてこない。
それだけ鬼木達監督は、主力/控えの枠組みをできるだけ作らず「横一線の競争」を促すアプローチでチーム作りを進めてきた。
戦術を浸透させるために、主力を固定して、主力グループに「まずは叩き込む」手法を取る新監督は多い。
これが1番手っ取り早く、即時性もあり、そして選手層の底上げに繋がらないことは、昨季序盤の奮闘、中盤以降の失速を見ていた鹿島界隈の方々には周知の通りである。
鬼木監督はこの手法を選ばなかった。21日の金沢戦(3〇0)では、鈴木優磨や柴崎岳、植田直通らが並んだ1本目に、舩橋佑が右MF(途中からトップ下)、松本遙翔が右サイドバックで起用された。
結果、右サイドは攻められっぱなしとなり、特に松本にとってはあまりに酷な45分間となってしまったが、計算が立つ樋口雄太や小池龍太ではなく、若手2人が苦い経験を詰めたことは、長期的視点に立てば大きかったと言えるだろう。
2本目ではキム・テヒョンが左SBを務めたり、安西幸輝が右に回ったり、三竿健斗がCBに入ったり、溝口修平がサイドMFを任されたり…と様々なテスト起用もあった。徳田誉は2得点で結果を残し、荒木遼太郎の技術の高さは光るものがあった。樋口のボランチ起用も可能性を十分に感じさせた。
さらにコンディション調整で出場を見送った濃野公人、チャヴリッチ、関川郁万らもいる。最終的に誰がどこで開幕戦のピッチに立つことになるのか、現時点での予想は困難だ。
鬼木監督は「強い特長を持っている選手が多い。しっかりと見極めていけたら」と語っている。宮崎キャンプ最終戦となる25日の岡山戦、2月1日に行われるJ2水戸とのプレシーズンマッチでは、さすがに序列が見えてくるだろう。しかし始動から2週間あまりを横一線で戦わせたことは、長いシーズンを戦い抜くにあたり、必ずどこかで生きてくるはずだ。(岡島 智哉)