第101回箱根駅伝(1月2、3日)で総合新記録の10時間41分19秒で2年連続8度目の優勝を果たした青学大が23日、東京・渋谷区の青山キャンパスで優勝報告会を行った。その後、取材に応じた原晋監督(57)は、実業団と大学の男子トップチームが参加する「ACN EXPO EKIDEN 2025」(エキスポ駅伝、3月16日、大阪・吹田市の万博記念公園スタート、大阪市の夢洲周辺ゴール55キロ7区間)を欠場するホンダを批判した。
エキスポ駅伝は大学と実業団の各8チームと、実業団連合選抜、関西学連選抜の計18チームが参加する。大学勢は今季学生3大駅伝第2戦の全日本大学駅伝(昨年11月)の上位8チームが順当に出場するが、一方の実業団は今年1月1日の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)上位チームのうち、2位のホンダなどが欠場する。
原監督は「エキスポ駅伝は大学と実業団がガチンコ対決する画期的な駅伝です。テレビ、ラジオで生中継されるし、大阪のど真ん中の御堂筋を走ります。そんな大会になぜホンダは出ないのか? チームというよりも、ホンダの経営陣に問いたい。こんなに目立つ大会になぜ出ないのでしょうか。なぜ、駅伝チームを持っているのでしょうか」と語気を強めて話した。
エキスポ駅伝は今年の「大阪・関西万博開催記念」として開催される。1970年の大阪万博から55年後に開催される大阪・関西万博にちなんで、大阪万博の会場だった万博記念公園をスタートし、大阪・関西万博の会場となる夢洲周辺をゴールとする約55キロの7区間で争われる。3月中旬は、ロードからトラックへの移行準備期間。距離は最長で約12キロ(3区)、最短で約5キロ(2区、4区、6区)。
「トラックシーズンに向けて距離も適正です。日本の長距離の強化の柱は駅伝でしょう。もし『世界を目指す』というのなら、世界で結果を残していますか、と問いたい」と原監督の舌鋒(ぜっぽう)は止まることなかった。
過激な「原節」は、教え子の太田蒼生(4年)にも及んだ。太田は初マラソンとなる東京マラソン(3月2日)で「優勝と日本記録(2時間4分56秒、鈴木健吾)を狙います」ときっぱり話した。その教え子に対し「世の中、そんなに甘くありません。まずはスタートラインに立つことが大事」と厳しく話した。
ただ、その一方で、今回の箱根駅伝では4区で日本人歴代最高タイムで区間賞を獲得し、優勝に貢献した太田の潜在能力は高く評価する。「しっかり、練習を積めば、近い将来、2時間3分台を出せる素地はあります」と期待を込めて話した。
約20分、原節を響かせた指揮官は最後に笑って話した。「すべて陸上界を盛り上げるために言っております。ボクシングの世界戦の前に、チャンピオンとチャレンジャーが試合を盛り上げるために、にらみ合うようなものです。皆さん、うまく書いてください」
原監督の狙い通り、賛否両論の議論がわき上がることになりそうだ。
◇エキスポ駅伝出場チーム
▽実業団(25年ニューイヤー駅伝成績)
旭化成(優勝)
トヨタ自動車(3位)
GMOインターネットグループ(4位)
住友電工(6位)
富士通(8位)
安川電機(9位)
Kao(10位)
ロジスティード(12位)
実業団連合選抜
▽大学(24年全日本大学駅伝成績)
国学院大(優勝)
駒大(2位)
青学大(3位)
創価大(4位)
早大(5位)
城西大(6位)
立大(7位)
帝京大(8位)
関西学連選抜