日本民間放送連盟(民放連)会長でフジテレビ副会長の遠藤龍之介氏が23日、都内で定例会見を行い、芸能界引退を発表したタレント・中居正広について言及した。
遠藤氏は、一連のトラブルについて初めて知ったのは「昨年12月の中旬。自宅に文春さんがいらっしゃった。トラブルの本当の内容というのが、私も含め、分かっていない。非常にショックを受けた」と心情を明かした。
ごくわずかの幹部にしかトラブルの詳細が共有されていなかったことの問題点を問われた際には「それなりの理由があり、被害女性のケアをしていくということがあったはず。それがどれだけの正当性があったのか、(今後の)争点の一つだと思う」と話した。
中居の電撃引退に関しては「引退をなさるということに関してはご本人の判断なので。今後、調査委員会と様々なことを伺う方の一人。そういったことに真摯(しんし)に対応していただきたい」とした。
17日のフジの社長会見については「(港社長は)何をお答えするか非常に難しい部分だったと思うが、欠落していた部分はある」と苦言を呈した。その上で「(フジの対応は)民放全体の不信感を招いている事態。第三者委員会の調査をし、問題点を抽出し、私どもにどう改善していくかプロセスを説明することが必要」と厳しい表情を浮かべた。
フジテレビのフルオープンな場での会見の必要性があるかを問われると「新しい情報を皆さんに伝える場は必要」という考えを示した。
遠藤氏は2019年にフジテレビの取締役社長に就任し、21年に退任。現在はフジテレビの取締役副会長を務めている。
この日の会見は、遠藤氏の希望で第1部が「民放連会長としての定例会見」、第2部が「フジの役員として」意見を述べる囲み取材の2部制となった。