ロッテからポスティングシステムでドジャースに移籍し、マイナー契約を結んだ佐々木朗希投手(23)が22日(日本時間23日)、本拠地のドジャースタジアムで入団会見を行った。会見前に契約合意が発表され、背番号「11」のユニホームにも袖を通した。また、A・フリードマン編成本部長(48)が開幕ローテ入りを示唆した佐々木のド軍での“現在地”を安藤宏太記者が見た―。
ドジャース編成トップのフリードマン編成本部長も誇らしそうだった。朗希の入団会見に同席し「数々の記録を樹立し、国際舞台でも活躍したあなたを獲得できたことは、この上なくエキサイティングなこと。誇りを感じ、ワクワクしている、。チームに多大な遺産をもたらしてくれるだけでなく、球団史の次章で重要な役割を果たしてくれるでしょう」と胸を張った。
大船渡高時代から6年間の調査でようやく実った契約。昨年12月には今オフの「最優先事項」として「できることは何でもするつもり」とまで言い切った。契約金は650万ドル(約10億円)で、「25歳ルール」のため、現時点ではマイナー契約。それでもフリードマン編成本部長は「我々のプランでは、先発投手としてシーズンをスタートさせてもらいたい」といきなりのローテ入りを示唆しただけでなく、「彼の目標はサイ・ヤング賞を取ることだ」と言い切り、「獲得できる能力がある。勝利のために大きな役割を果たしてほしい」と大きな期待を寄せた。
朗希が「メジャーの舞台でプレーするために頑張るだけ」と語ったように、ローテ入りへの競争もある。今季のド軍は現時点で、山本、グラスノー、スネルが3本柱。ほかにも大谷、メイ、ゴンソリンというリハビリで昨季登板のなかった実績組だけでなく、ミラーやナックら若手、再契約が濃厚な通算212勝左腕のカーショーらも控えている。それでも大谷ら復帰組への過度な期待は禁物とあって、最速165キロの素質、将来への期待も含めて朗希は現時点では4番手の候補筆頭に位置しているだろう。
昨季、ド軍でフル回転した投手はいない。今季は6人ローテを導入する見込みであるなど、先発陣は10人ほどをうまく使いながらシーズンを乗り切ることが濃厚だ。大谷は5月以降の復帰が見込まれている。寒さもある開幕時はリハビリ組は慎重になり、順調にいけば朗希にかかる期待も高まる。
野茂がドジャース1年目の1995年に最多奪三振で日本人メジャーリーガーの道を切り開き、イチロー氏は米殿堂入りして歴史に名を残した。大谷は二刀流で、本塁打王やMVPも受賞。今季のドジャースは先発陣が豊富で、朗希が1年目からフル回転することは考えにくいが、日本人初のサイ・ヤング賞もそう遠くない未来に手に入るだけの素材、期待がある。(安藤 宏太)