巨人の萩尾匡也外野手(24)が23日、サカチョーコンビの金言を胸に今季の飛躍を誓った。今オフ、坂本勇人内野手(36)の沖縄合同自主トレに初参加。フェアゾーンの「90度」を強く意識した練習法を伝授された。長野久義外野手(40)からは体づくりの助言を受け「27、28歳までに体重95キロ」と目標設定。すでに今オフで5キロ増の90キロと自己最高体重に到達した。パワーアップした若武者が、激しい外野争いに殴り込む。
2人だけの空間だった。萩尾は坂本と同組で室内練習場のフリー打撃。打撃投手の球をはじき返すと、防球ネット裏に座るレジェンドから「今の良かったね」、「そうなるとズレちゃう」と声が飛んだ。1月上旬から坂本塾に初入門。寝食をともにしながら「野球を24時間、あれだけ考えている。まだまだ足りなかったところだなと感じました」と濃密な時間を過ごしている。
授かった指針を体に染みこませていた。通算2415安打のヒットメーカーが実践する練習の意識だ。「フェアゾーンの中堅から(左右両翼のポールまで)45度、45度。この90度の中にしっかり打球を出していく。それが試合で、ヒットゾーンに飛んでいく打撃になる」―。フェアゾーンは360度の4分の1となる90度。ファウルになりやすい内外角の隅を突いた球もフェアゾーンの「90度」に集めるべく、バットの出し方を念入りに確認した。「自分のイメージと、勇人さんから見てどうかが一致してくれば。少しずつ合ってきてるので、まだ良くなる」と汗をぬぐった。
長野からは“体づくりの心得”を受け取った。長くプロを生き抜く肉体をつくるために相談すると「27、28歳までに95キロまで増やしたいな」と助言を受けた。週7日のウェートトレと、栄養士の作る食事で体重は5キロ増の90キロに到達。「バットスピードが平均で4、5キロ上がってる。すごくいい感じと思います」とパワーアップを実感している。
昨季はプロ初アーチを放つなど56試合で打率2割1分5厘、2本塁打。外野をこなすキャベッジが加入するなど、外野の定位置争いは激しさを増している。「また新たな選手も入ってきますので、負けずにレギュラーを取りたい」。数々の金言は背番号12への期待の表れだ。巨人の次代を担うために、階段を上がっていく。(内田 拓希)