◆卓球◇全日本選手権 第3日(23日、東京体育館)
男子シングルスで出場選手最年少13歳3か月の大野颯真(木下アカデミー)は、4回戦で昨夏のパリ五輪代表の篠塚大登(愛知工大)に2―4で敗退。いずれのゲームも接戦に持ち込み、五輪代表から2ゲームも奪う健闘を見せたが、13歳は「(手応えより)悔しさの方が大きい。最後はサーブの質が高かったら、チキータされずにラリーにもっていけた」と唇をかんだ。
篠塚らスーパーシードの選手が登場する4回戦。大野は先に2ゲーム(G)を取られたが、第3Gは11―9で取り返した。1―3で迎えた第5Gは、相手にゲームポイントを握られても12―12と食らいつく。サーブで得点し、最後はラリーからフォアを浴びせた。第6Gも驚異の粘りを見せて接戦に持ち込んだが、五輪代表に及ばなかった。
多くの刺激があった。パリ五輪を見て憧れ、対戦を望んだのが篠塚だった。大野はそんな強敵に対し、持ち味のバックハンドに加え、「最初はラリーできなかったが、途中からできるようになった」と手応えもあった。相手のプレーからも学び「サービスがうまかったし中陣からでも自分がミスしたり、抜かれる展開もたくさんあったので、参考にしていきたい」と語った。
鹿児島出身で卓球を極める環境を求めて、小学6年の4月に神奈川の木下アカデミーに入った。寮生活を送って腕を磨き、今年は世界ユース選手権での頂を目標に掲げる。「将来的にはオリンピックで金メダルを取りたい」と13歳は言い切った。大きな経験を糧に、夢に向かって成長を続ける。