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「まだ3番ある。集中したい」元大関・霧島、9連勝でトップと1差 3連敗発進からVなら史上初

スポーツ報知 2025年1月24日 6時0分

◆大相撲初場所12日目(23日、東京・両国国技館)

 初日から3連敗した西前頭筆頭・霧島が、4日目からの9連勝でトップと1差に迫った。2敗だった同3枚目・王鵬を送り投げで圧倒した。優勝制度ができた1909年夏場所以降、初日から2連敗以上したV力士はいない。昨年初場所で綱取りも経験した元大関が、史上初の大逆転Vへと突き進む。綱取りの大関・豊昇龍は、1敗で単独トップの西前頭14枚目・金峰山をはたき込んで3敗を守った。賜杯争いは2敗の金峰山を、豊昇龍、霧島、王鵬、尊富士の4人が1差で追う。

 元大関の厳しい攻めだった。霧島は、王鵬の突きにひるまず前に出た。押していなすと、右で上手をがっちり。背後に回って、相手を土俵上にたたきつけるような送り投げ。支度部屋では「考えずに自分の相撲と体を信じてやっていった」と充実感を漂わせた。八角理事長(元横綱・北勝海)も「いいときの霧島の一番。自分は大関だと思っているだろうし、プライドもあるはず」と評価した。

 破竹の9連勝。初日から3連敗を喫しても、「悪い相撲ではなかった。良い相撲を取ることが大事。自分でも勝ちたい気持ちではなく、勝負にいきたい気持ちでやっている」と集中力が途切れることはなかった。

 ちょうど1年前は綱取り場所だった。13日目を終えて11勝も、14日目から連敗して失敗。翌春場所前に首付近を痛めて負け越し、夏場所の途中休場で大関から陥落した。苦い経験も力に変えるべく、平幕で迎えた今場所初日の前日(11日)には、東京・台東区の浅草寺で「いい年にしたい」と必勝祈願。師匠の音羽山親方(元横綱・鶴竜)も「冬巡業を思い切って休んで良かった。けがの状態が良くなって自信を取り戻せた」と目を細めた。

 優勝制度ができた1909年夏場所以降、初日から3連敗どころか、2連敗した優勝力士はいない。自身3度目の賜杯について問われると「まだ残り3番ある。集中したい」と浮かれた様子はない。初優勝した23年春場所は9日目を終えて首位と3差をひっくり返した。今場所も9日目まで金峰山と3差あったが、1差に接近。既に3大関戦は終えた。霧島は「毎日勝ち負けは考えずに、結果的に勝っていればいい」と自然体。優勝の味を知る元大関に、勝者の雰囲気が漂ってきた。(山田 豊)

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