歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助が23日、都内で「新緑歌舞伎特別公演2025」(全国16か所)の合同取材会に出席した。
2人は中村屋の若手で成長著しい中村鶴松について語った。勘九郎は「童顔で背が小さくて、若手と言われているけど、もうすぐ30歳」と愛のあるいじりで紹介。その上で「幼い頃、部屋子になって、父(18代目中村勘三郎さん)のもとで、一緒に修行してきた。自主公演で『鏡獅子』を踊ったあたりから、意識が変わったのかパワーを発揮して、大事な戦力として力をつけてきている。新春浅草歌舞伎で演じている十次郎もとてもいい」と目を細めた。
七之助も「兄が話した通り、鶴松はメキメキと力をつけてきている。元々、歌舞伎が大好き。ただ、伸び代がある成長する時期に、コロナ禍で若手が舞台に出られない期間があった。これからは思う存分、悔しい思いをぶつけて頑張ってほしい」とエールを送った。
初心者にも歌舞伎の魅力を知ってもらうことをテーマにした巡業公演。「トーク&ミニ歌舞伎塾」「高尾懺悔(たかおざんげ)」「太刀盗人(たちぬすびと)」の3演目で、勘九郎は「歌舞伎は敷居が高いと思っている方の心の壁、舞台と客席の壁を取っ払いたい」と抱負を語った。