ソフトバンクの前田悠伍投手が24日、今永流“脱力投法”での2年目の飛躍を誓った。今月5日からカブス・今永昇太投手が主宰する高知市での自主トレに参加。20日に打ち上げ、この日から福岡・筑後市のファーム施設での練習を開始したが「今永さんといえばフォームと球のギャップがすごいと思うんですけど、その感覚が僕にも分かった」と手応えアリアリの表情を浮かべた。
目からウロコの日々だった。「リリーフは1イニングをバーンって投げたらいいんですけど、先発は100球同じ球を投げないといけない。そこでいかに力を抜くというか…入れてるんですけど、自分が思ってるより抜けるみたいな。そういった感覚がつかめました」と23年のドラ1左腕。ウェートトレも「20キロ(の重り)を持ってる感覚で、200キロでも何キロでも持ち上げるっていう感じ」。歯を食いしばって絶叫して、というのではなく、厳しい練習も涼しい顔で行うのが今永流というのだ。
高知で既に捕手を座らせてのブルペン投球も開始した。そこでもメジャー15勝左腕に伝授されたノウハウは「チェンジアップとかスライダーを投げる感覚で、真っすぐを投げろ」―。ここが今永の“ギャップ”の源だと理解した。「今まではもう“頑張って投げる”という感覚だったんですけど、“めちゃくちゃ力抜いてるな”っていう感覚で、それ以上の球がいく。いい収穫でした」
昨秋キャンプで倉野コーチに直球の質の向上を課題として与えられた。「僕の感覚では真っすぐも改善されたのかなと思います」と、今永サマサマといった表情。目標とする開幕ローテに向けて、まずは春季キャンプ。「絶対力は入っちゃうと思うんですけど、それでも抜く。自主トレで教わったことを生かしていきたいなと思います」。言葉に脱力感はなく、力強さでみなぎっていた。