宝塚歌劇星組公演「にぎたつの海に月出づ」(作・演出、平松結有)が24日、兵庫・宝塚バウホールで初日を迎えた。
2014年入団の第100期生で、11年目のスター・極美慎(きわみ・しん)の「ベアタ・ベアトリクス」(22年9月)以来、2度目のバウ公演主演作。
飛鳥時代を舞台に、大和(現・奈良県)に留学生(るがくしょう)としてやってきた百済(朝鮮半島西部)の青年・智積(ちしゃく=極美)と後に斉明天皇となる寶(たから)皇女(詩ちづる)との身分違いの愛、2人の間に生まれた息子(のちの中大兄皇子)を巡る運命を描く。
8月11日付で花組への組替えが決まっている極美にとって、星組での学びを存分に発揮する場。誠実で思慮深い青年像を作り上げ、衣装も少ない役柄ながら、華やかなマスクでビジュアル面でも魅了した。
相手役の105期生・詩は「My Last Joke」(23年、天飛華音主演)に続くバウ2度目のヒロインだが、外部劇場のWヒロインも2度務めている。豊かな芝居心で、波乱に満ちた人生を表現した。
智積から寶皇女を奪う田村皇子(たむらのみこ)役は、詩と同期の6年目・稀惺(きしょう)かずとが務め、厚みと深みのある演技で、男役としての成長ぶりを示した。
公演は2月4日まで。千秋楽はライブ配信が実施される。